朝4時くらいから雷を伴った強い雨が降り出し、早朝の釣りは中止。
しかし7時過ぎからは雨粒が落ちてくることもなく、日中は曇り程度で済みました。
午前中に幌延町のネット友達を訪ねてドライブ。
時々ネットで会話をしている仲間ですが、リアルではなかなか会えないお友達です。
Aさんは酪農家の奥さんで、B夫妻はお寺の住職です。
まずはAさんのお宅を訪問して、自家製の牛乳をごちそうになった後、牛舎を拝見。
牛たちの多くは牧場の奥まで行ってのんびりと休んでいて、牛舎に残っているのは生まれたての赤ちゃん牛と産後すぐのお母さん牛などです。
赤ちゃん牛は、ホルスタインのお母さんに肉牛の精子を受精させたF1という交雑種なんだそう。
F1の子牛は体重がそれほど大きくならずに生まれてくるために、初産のホルスタインにとって負担が少ないとのこと。
翌年からはホルスタイン同士でかけ合わせますが、牛の世界にもいろいろなことがあるものです。
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こちらのお宅では70頭ほどの牛を飼っているとのことですが、この辺りでは少ないほうだと言います。
「牧場の広さってどれくらいあるのですか?」と訊ねてみると、「広さ?ええ?どれくらいだろう…考えたこともないわね(笑)」とのこと。
とにかくどこまでも広がる牧草畑の牧草ですが、今年は二番草が遅れてやきもきしたそうです。
そして広い牧場で採草するためには機械力が欠かせません。
一台1千万円くらいもするトラクターも4台ほどあって、後ろにつける農機具だって一つ数百万円単位。でもこうした機械がなければとてもではありませんが、夫婦中心で牛を育てて搾乳をすることなど到底できないのです。
「機械はどこのメーカーが多いのですか?」
「やっぱりアメリカ製ですねえ」
「日本の農機具じゃだめですか」
「はい、アメリカとドイツが一段上で、日本はその次。以前韓国製のトラクターが安いというので入れてみたけれど、耐久性が悪くて使えませんでした」
「耐久性が問題ですか」
「はい、アメリカの農機具は、錆びても強度が落ちないんです。鉄の質が違うのかなあと思いますが、日本のは錆びると構造が駄目になってしまいますね。そもそも日米の農家からの需要の大きさの違いかもしれませんが」
確かに、こんな大きなトラクターで採草しながら酪農をするなんて日本では北海道くらいしかありませんしね。
売れない機械を開発するというのはメーカーにとっても辛い事のようです。
日本の農機具にももっと頑張ってほしいものです。
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続いては、Bさん夫婦を訪ねて、こちらのお二人からはサロベツ原野を案内していただきました。
サロベツ原野の特徴は、湿原の植物が積み重なって腐らないままに時間がたった後に遷移してできる「高層湿原」が広い事。
もう今の季節は花としてはエゾリンドウやアキノキリンソウくらいしか咲いていませんでしたが、もっと良い時期の花の季節も見てみたくなりました。
また、ここサロベツ原野もラムサール条約の湿地として登録されていて、水鳥が羽を休めて憩う姿がよくみられます。
この季節は、オオヒシクイが何千羽も牧草地に羽を休めていて、これが一斉に飛び立つさまは得も言われぬくらいの感動があるそうです。
今回見られなかったものはぜひ次回に果たしたいところです。
豊富町に三年前にできたビジターセンターでは、湿原のお勉強もしっかりとできます。
今回初めて、まじまじとサロベツ原野を勉強ができました。
北海道は広いです。
(写真は後日)