北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北海道の鮭を使ったスモークはいかが?

2013-11-04 22:41:04 | Weblog

 知人の家でスモーク(燻製づくり)をやるので集まりませんか、というお誘いがありました。

 スモークって楽しそうですが、道具立てや味付けなど分からないことばかり。

 それに今年はいろいろと釣りを教えてもらったお礼もあって、いろいろと教えてもらおうと出かけてきました。 

 スモークって、やはりちょっとくらい広い庭がないとできません。自宅にお庭のスペースがあるのならトライしてみてもよいかもしれません。

 
 向かった先は閑静な住宅街にあるお宅。着いた時にはもうひと段落ついて、家の中で集まった人たちが出来上がったものを食べ始めています。

 スモークというと、煙で燻(いぶ)されて堅い保存食のイメージなのですが、実は味付けと乾燥、使う木の種類といぶす時間などのバランスで様々な変化が出るのだそう。

 アウトドア経験の豊富なZさんは、鮭で作ったスモークを見せてくれました。

 これには特別な道具はなくて、大きめの段ボールの中に鮭を吊るして箱の中で木のチップを燃やしてゆっくりと燻して燻製をつくっています。

「燻製には、燻す温度によって熱燻、温燻、冷燻に分けられます。この鮭は温燻で作りました。ソミュール液という塩と三温糖にハーブやブドウ液などの味付けをした液体に二日くらい漬けて、水分を取り4時間くらい燻しました。柔らかく出来上がっていると思いますよ」
「鮭は買ったんですか?」

「僕には鮭を釣って卵を取った残りの身を分けてくれる釣り仲間がたくさんいて、結構分けてくれるんですよ。それを冷凍で保存しておくとこういうときに使えるんですよ(笑)」
「それはいいですね」


     ◆   


 出来立てのスモークを一本取り出して、家の中でそれぞれが持ち寄った食材でパーティとなりました。

 ちょっと硬めの自家製パンを薄切りにして、そこに柔らかな鮭のスモークを盛り付けるととっても贅沢なサンドイッチの出来上がり。

 
【これは美味い!柔らかさと塩味と煙の香りが最高』 

「かれこれ三十年くらいいろいろと工夫しながらやってみて、ようやくこれくらい安定した仕上がりになりました。頑張れば売れるようなモノができるのにね」

 北海道の産物って、道産と言うだけで結構良いブランドになるのに、使われずに無駄に捨てられているものやまだまだ活用されていないものも多いようです。


「僕が北海道の鮭釣りを見ていると、イクラ欲しさに釣っても卵だけ取って身をあたりに棄てている不埒な釣り師も多いんですよ。そんなことをするくらいだったら、こうやってスモークにすれば、ちゃんと価値を持って売れるくらいの食材になるのにね。北海道って大らかなのも良いけれど、せっかく採れる地域の産物を使い尽くして売り物にするという緻密さがないのが残念なんですよ」
「そうですねえ」

「京都なんてごらんなさいよ。地のもので取れるものなんてほとんどないのに、全国各地から取り寄せたものに上手に手間をかけて、ほんの少しの量で良いお値段を取るじゃないですか(笑)。あれですよ」
「北海道づくしなんて良さそうですよね」  

「そうそう、燻製に使うウッドチップも、昔はヒッコリー(アメリカのクルミ科の木)が良い、ということでそればかり使っていたんです。でも道内にはオニグルミやエゾヤマザクラなどスモークに使えるすばらしい広葉樹がたくさんありますよ。素材も道産、スモークチップも道内の木、味付けだって北海道には素晴らしい素材が多いでしょう。こういう希少価値を上手にアレンジして組み立てれば、良い値段で買いたいという人はちゃんといると思いますよ」

 
 今日スモークを作った段ボールだって、もしかしたら北海道の製紙工場のものかもしれませんね、というとZさんは、「あ、そうかもね、あはは」と笑っていました。

 道産のワインやウィスキーに、鮭のスモークに道産小麦のパン。

 もうこれは日本伝統の和風を離れて、洋風を取り入れながらも日本人が楽しむ、和洋折衷の「道風」でどうでしょう。

 北海道で取れるものにもっと誇りをもって知恵をかけましょうよ。
 

コメント
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