妙高のペンションでのお掃除は無事終了。
今回は参加者が11名と近年になく多いこともあって、全体としてスムースに事が運びました。
お掃除はやればやるほど汚れに気が付くようになるので、決して終わりはありません。
時間が来たところまでの限定作業と言ってもよいかもしれません。
今回は初めての参加者が4名いましたが、皆さん一生懸命にお掃除に取り組んでくれて、「なんだか忘我の境地になりますね」という感想。
マザーテレサの言葉に、「愛情の反対は憎しみではありません。愛情の反対は無関心です」という名言がありますが、まさに掃除とはその部分に愛情を注ぐ作業であり、それを阻害するものはその汚れに気が付かない無関心にほかならないのです。
掃除を通じて人生の深みに触れることができるのです。
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さて、今年も掃除ツアーで訪れたペンション・モンセルヴァンのオーナー敷根俊一さんは、妙高一帯で山岳ガイドとしても活躍されている方です。
「もう歳を取ってきて、山岳ガイドが辛くなって来たよ」と笑います。
「体力的にきついということですか?」と訊くと、「自分一人が自分のペースで登山するのはなんの問題もないんだけど、10人あるいはそれ以上の人たちを連れてペース配分、時間配分を考えながらしかも全員を安全にガイドするというのは実に神経を使います。それは、ガイドをする相手として高齢者が増えてきたこともあって、ペースがとても緩やかなんです。しかも山に登るのも遅いけれど下るのもまた同じくらい遅いので、いろいろとレスキュー道具を背負っていると体に負担が大きいんですよ」とのこと。
「若い人に任せろってことじゃないんですか(笑)」
「それはありますね。おかげさまで若い人たちがガイドとして働ける時代になりつつあって、それを目指す人が増えてきています」
「登山はやはり高齢者の参加者が多いんですか?」
「一時はリタイアしたら登山、という人が増えたんですが、今はちゃんとやる人だけは残っている印象で、高齢登山者はそれほど増えていない感じです。替わりに"山ガール"と呼ばれる若い女性が増えていますね。で、そうすると引っ張られるように若い男性の参加者も増えているという印象です」
「そういう男女がガイドを依頼してくるということもあるのですか?」
「最近不思議なのは、ネットで登山の参加者を募って、集合場所で皆初めて会い、それから登山をするというパターンがあるというのです。しかも山小屋でみんなが宿泊するのではなく、山の上では皆一人用のテントでそれぞれに宿泊するというのです。だから今は一人用のテントがとても売れていると聞きますよ」
「不思議な関係性ですね」
「そういう集団だと、いったい誰がリーダーかということがはっきりしないので、不安ですね。職業としての山岳ガイドの責任はとても重いものがありますから」
「大変な仕事ですねえ」
「はい、でも最近は山へ登らずに、平地で自然に触れ合うようなツアーも増えていますから、そういう形で自然へ誘う活動で貢献したいですね」
妙高高原はスキーで有名ですが、こうした自然散策もあればフライフィッシングに適した渓流もあるようです。
様々な自然を楽しむ拠点としての行きつけのペンションがあり、レベルの高いガイドがいるというのは素敵ではありませんか。
自然をもっと楽しみましょう。