社会人になってもう30年以上が経ちますが、転勤でいろいろな立場を経験していると、仕事の種を蒔く時期があるかと思えば、先人の蒔いた種を刈り取る時期だったりすることもあります。
「あれは僕がやったのさ」などというのは、何人もがバトンをリレーしながら完成というゴールを目指す途中のほんの一人だったに過ぎないということがよくあるもの。
逆に、自分一人ではできない仕事でも、完成してみると確かにその一部に参加していたことを誇りに思えるということもあり、謙虚に今自分ができることに立ち向かい続けることこそが大事だとつくづく思います。
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ところがそうした巡り合わせの数々の中で、問題があることは分かっていたけれど解決できなかった問題が一気に噴き出して、その矢面に立たされるということもあります。
JR北海道のここ何年かの事故などの不始末や、いよいよ問題が顕現化してからも問題が一向に収まらない日々が続いています。
全てが今のトップの役員の皆さんの直接の責任というよりも、過去何年も手が付けられずに来た懸案が一気に噴き出しているという印象を強く持ちます。
しかし過ぎ去った過去を取り返すことはできませんし、同時に今背負っている立場の責任を逃れることもできません。
「運が悪い」と言ってしまえばそれまでですが、これもまた巡り合わせで、現在のスタッフに「始末をつけよ」という天命とも言えそうです。
これは全くの感覚的なものですが、いろいろな問題が出るときには二通りあるように思われます。
一つは「今のスタッフならば解決できる陣容が揃っているのだから頑張れ」という時で、もう一つは「今のスタッフでは解決できまい。もういいから退陣せよ」という二つです。
しかし過去に解決できないまま今日を迎えたような問題は、「解決できる陣容」であることが多いのではないかと思います。
仕事は成仏できずにさまよう浮遊霊のようなもので、(この人なら成仏させてくれそうだ)という人に憑りついて成仏したがるのです。
だから長い間の問題が露見したような場合も逃げずにしっかりと立ち向かって、問題を『解決して成仏させる』という戦いに挑まないといけません。
大変な状況が続いていますが、JR北海道には一日も早く問題を解決して道民に安全と安心を届けてくれることを期待したいと思います。
私の場合も、過去の問題が噴出したようなときは、「今のスタッフなら解決できると、仕事の方が我々を指名したんだ」と考えて、職場のチームワークを高めて一丸となって対処するようにしています。
そう考えると、やる気が出て苦労も吹き飛ぶような気がするのです。
問題もチームをまとめる材料にできると良いですね。