北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

生涯学習で私が変わった5つの点

2013-11-20 22:56:14 | Weblog

 先週、掛川市議会の議員さん数名が道内視察のついでに札幌に立ち寄るとのことで、夜会食をする機会がありました。

 掛川を離れてから約10年が経過して、当時も議員だった方は今回は二人。市議会の中にももう数人しかいなくなったそうです。

 若い議員さんもいれば新人さんもいて、さらには合併後の地域から選出されている議員さんたちと今の掛川市の話題について大いに盛り上がりました。

 私が思う掛川の魅力というのは、掛川城だったり茶の里だったり、東海道五十三次の掛川宿という歴史だったり、さまざまにありますが、元々あったものではなく、自ら作り出して物として『生涯学習運動』を上げないわけには行きません。

 掛川の生涯学習は、何度も書いているようにただ『高齢になっても読書をしたり芸術に親しむ』というような文科省が言うような学習ではなく、自分と外をしっかりと考え哲学し、そして"関係してゆく"という強い前向きな生き方だ、というのが私の理解です。

 しかし、この日の議員さんたちとお話をしていても、生涯学習に対してそれほど深い感慨と価値は必ずしも感じてはおられないよう。

 地元には、もう旧掛川市の生涯学習と言っても過去の話題なのかもしれませんね。

 
   ◆   


 私が掛川の生涯学習を高く評価しているのは、まさに私が生涯学習で、そして"関係していこう"という前向きな考え方で自分自身の人生が変わったからです。

 掛川の生涯学習と縁ができなければ私は考え方が変わることがなかったでしょう。

 そこで改めて、生涯学習で私の何がどう変わったかを整理してみると5つにまとめられました。私が変わった5つの点というわけです。

 まず最初は、「1.ブログという形で情報発信をする気になった」ということ。

 最初は家族への『掛川で元気だよ通信』でしたし、毎日書き続けることができるかも不安だったのですが、掛川のまちづくり情報の記録になることに気が付き、毎日書ける自信もつきました。

 そしてこういうことが実は生涯学習の一つの側面だと気が付いてからは、生涯学習を自ら率先垂範する意味もあって続けることができています。

 こうした情報発信を続けていると、私自身の生き方も考え方もあからさまになっていきますが、それを覚悟の上でないと情報発信などできない、とも思うようになりました。

 また、飽きられないように自分自身が多様なテーマを持つように努力をするようにもなりました。生涯学習のお陰です。


 次に、「2.知らないことを知ろうとする道を歩むようになった」ということがあげられます。

 榛村元市長さんは、実に気さくにいろいろな人にものを訪ねました。スローライフを世に出した時には、女子中高生にまで「あなたはスローライフと聞いたら何を思いますか?」なんて訊いていました。それが彼なりの世間からの情報収集だったのです。

 「知らないことを知ることは絶対善だ」と思うようになり、人に話しかけるのが平気になりました。

 また道に迷った時は、あえて知らない方の道を歩いてみようと思うようになりました。知っている安全な方を選ばずに、敢えて知らない道を歩んでみようという前向きな生き方に変わったのです。

 
 三つ目は、「3.本を書く気になった」ということです。

 榛村さんは、「一年に一冊本を書くのは市長としての責任であり義務だと思っている」と言っていましたが、それはとても精神力のいることです。

 私の場合は、ブログを毎日書くことで、3年もたてば千本の原稿が出来上がるのでそれをベースにすることができました。

 掛川と釧路では一冊ずつ本を書きましたが、基本的な構造は2,500文字×40編=10万字というもの。

 新しい場所へ転勤した時は新鮮な見方ができて、日々得られる感動が文字として積み重なって行きますが、こうして出来た千本の原稿をベースにして、40編に刈り込んで行けばよいのです。
 
 一遍2,500文字というのは、ちょっと頑張れば読み切れる分量でこれ以上短いと意味が伝えにくくなり長いと読むのに疲れる人が増えます。

 40編という本数があれば全部で6つくらいのテーマにまとめることができてある程度バラエティに富んだ内容にできます。

 そして逆説的ですが、この本を書く作業を通じて私自身、「生涯学習とは"関係する生き方だ"ということにたどりついたのです。

 苦労はしますが、確かにその苦労のし甲斐はありました。

 

 四番目は、「4.知ろうとすることのために記録を取るようになった」ことが挙げられます。

 榛村さんは良く、「政治が悪いのは、消えてしまう言葉で唱えるばかりで、それを文字の形で残そうとしないことだ」と言っていました。

 講演をするときも、ただ良い気分の時間が過ぎるのではなく、何かが残るようでないといけない、として必ず話の内容をまとめたレジメを作って渡してくれました。私の講演もレジメは榛村流です(笑)。

 そして旅行や趣味でも記録を取って残すように心がけるようになりました。

 移ろい消えてゆく記憶や感動、行動の記録なども取っておくことで後で役に立つデータになるのです。これがブログを書き続けるエネルギーにもなっています。
 

 そして最後に、「5."今生の命"を思う」ようになりました。

 縁ということも感じるようになりましたが、たった一度のこの命を使って知らないことを知ろうとし、それを発信し続けてみよう。

 世の中の原理や真理というものにどこまでちかづけるのだろうか、ということが日々のテーマになりました。たった一度の命を使ってやれるだけのことをやってみようと思うようになったのです。

 単なる学校で習うような知識を増やすのではなく、それをベースにして自己を高めるような努力を続ける生き方が良いと思うようになりました。


   ◆   ◆   ◆


 これが私自身がそれまでと変わった5つのことがらです。私は変わってよかったと心底思います。

 命の使い方が少しわかったような気がするからです。

 今掛川の人たちはどうでしょう。生涯学習を過去の出来事にするにはあまりに惜しいと思います。

 
 今度月末に掛川でスローライフの講演をすることになっています。そうだ、これも話のネタにしてみようと思います。

 ものの価値はよそ者の方がよくわかっているかもしれません。 私には生涯学習に大恩があるのです。

 

コメント (2)
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