友人と「仕事をより効率的に行うにはどうしたらよいか」という話になりました。
友人は「単純にOA化するとかシステム化するとかいいますが、融通が利かなくなって却って非効率になったりすることもありますしね」と言い、コンピューターによるシステム化だけが効率化ではない、と言います。
「極めて大量のデータを単純に扱ったり記録しておくということなら有利ですが、人が関わって作業をする部分が増えると、パターンバリエーションを想定していくつも作らなくてはいけないので複雑で煩雑になりますよね」
「なるほど」
「作業手順がルーチン化していてシステムに馴染むものもありますが、同時に、人間がそのたびに判断して最適と思う処理をしなくてはならない仕事も多いですよね」
「我々公務員の仕事もそういえますね。やはり経験と場数の中でチームで協力しながら眼前の問題を処理するという能力は、マニュアル化には馴染みません。常日頃からコミュニケーションを取り、信頼関係を築いた人たちの中で相談しながら進めるという仕事も多いです。マニュアル化が難しいだけに"一子相伝"というか、師匠と弟子の関係で伝えられることも多いですね」
「確かに、いくらマニュアル化してもそれを一度経験して体で納得しなければ文字面だけでは伝えきれませんもんね」
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ところで私がいつも思っていることがありました。それはメールによる情報伝達の仕方のちょっとした気遣いの事。
「上部機関から情報が届き、資料が添付されていることがよくあります。そしてそれを自分を起点にして上司や部下に転送するということもよくあります。そのときに多くの人が、『このような文書が届きましたので転送します』とコメントだけして転送をしてきます」
「まあ普通ですね」
「ところが(気が利くなあ)と思うのは、なかには転送の際に資料の中身をちゃんと一読してその内容をコンパクトに書いてくれる人がいるんです。『○○に関する資料がとどきました。内容は××と△△に関して適用の条件が拡大されたということです。詳しくは添付ファイルをご覧ください』というような表現で、添付ファイルのなかみを紹介してくれるんです」
「なるほど、気が利いていますね」
「はい、こういうコメントがなければ添付ファイルを全部読まなくてはいけないのですが、コメントがあることで真に読むべき資料と、読まなくても大丈夫という資料を選択して判断することができます。これなどはちょっとした気遣いで、これによって他者の判断を大いに助けることができるでしょう。実は効率化ってこういうことなのじゃないかと思うんです」
「それは良い心がけですね。私も会合の出欠をメールで聞かれたりするときは、タイトルに『【出席します】RE:会議の出血について』というような形で答えを書いて送ります。これなども相手への気遣いのつもりなんですが」
たかがメール一つでも、相手の顔を思い浮かべて気を配ることで相手の作業効率を上げることができますね。
マニュアル化やシステム化とともに、人間力による効率化も模索してみてはいかがでしょうか。