大学の同窓会で集まろうということになり、ごく少人数で顔合わせ会をしました。
名簿を見ると私ももうかなり上位の年齢層に区分されています。若い人たちがちゃんと地域社会にも入ってきてくれていてうれしくなりました。
今日は水産関係の方が多く、話題がオホーツク海一円でのホタテの不漁問題になると顔が曇りました。
昨年は特に豊漁だったオホーツクのホタテですが、昨年の冬12月中旬に道北地域一帯を嵐が遅い、海底の砂が大きく巻き上げられてホタテが砂の中に埋まってしまったことから死滅した貝が非常に多いのだそう。
ホタテで有名な猿払村で三割減産、それより南側の浜頓別町、枝幸町では五割くらい減産になるのではないか、と言われています。
「でも漁師さんはいいのさ。取れる量が少なくなれば浜値が上がるし共催に入っていたり、ある程度の補償もされるからね。問題は加工場ですよ。外国から人を寄せて雇用していてそういう人たちにやってもらう仕事がないから困るわね」
「今年だけの問題じゃないんですか」
「海の広い範囲で砂が巻き上げられてしまったから『三年はだめじゃないか』という人もいますよ」
「そんなに…」
「海も今や農業の畑と同じで、稚貝を撒いて成長を待って収穫をするというサイクルです。そして今年はこの畑、来年は隣の畑…と年ごとに順番に収穫をする。こんなことができるようになったのは、GPSの発達です。広い海の上でどこで区切るかが分かるようになりましたからね。技術の進歩で助けられていることは多いです。それにしても今回はやられた範囲が広すぎますね」
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すると別な方が、「まあ今回は被害が大きいですが、長い目で見ると悪いことばかりではないんですよ」と言い出しました。
「え?どういうことですか」
「海の底って、ある程度かき混ぜてやらないと海底の酸素が不足して硫化物によってイオウが増えてきます。そうなるとホタテが生育しにくくなって北寄貝が優勢になってきます。ホタテを育てようと思えば海底をかき混ぜる必要があり、地域によっては人為的にかきまぜているところもあるんです」
海底をかき混ぜた方が良いことはなんとなくわかりましたが、その強さを自然任せではコントロールできません。
ほど良くっていうのは人間のご都合でしょうか。被害が少なくて地域経済への影響が小さくなるように願っています。