こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

文士と弁士

2005-10-30 00:00:00 | 未分類
SFマガジン12月号に載っている草上仁さん『文士と弁士』を読みました。

放浪の文士ファンと弁士イムは、とある街で凄腕の道場破りの噂を聞きつけ、ジュンキュの街にやってきた。
訪れた道場の文士スムウ・ビ・エンの話によると、その道場破り、スリ・ウという男は、
3月ほど前にふらりとやってきて、スムウの弟がやっていた道場を手始めに、
街じゅうの弁士道場という道場を、総なめにしてしまったようである。

弁士の試合とは、ある言葉を題材に、詩を創りあうことで行われる。
スリ・ウは決して尻尾を摑まれず、下卑た暗喩で相手の動揺を誘って、自らの領分に引きずり込んでしまう。
失点を誘う魔的な声と、瞬時に言葉を選び出す技量。
イム・テグムさえ、受け損ねると陰気な顔つきになった。
そこでファンは秘策を思いついた。
さて、イムはスリ・ウとの試合に勝てるのか?その秘策とは?

いやー面白かったです。話し言葉と書き言葉、
それぞれの芸術性を高めるための道場や試合がある世界とは!
いや、その上、道場破りまであるんですから。
最高でした。草上さん、ありがとうございました。

コメント
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