こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

玻璃の天

2007-06-18 00:00:00 | 未分類
北村薫さんの『玻璃の天』を読みました。

『街の灯』の続きです。
昭和初期としては珍しい、女性運転手ベッキーさんと花村家令嬢・英子が
様々な事件を解き明かしていきます。

内堀家版ロミオとジュリエットの親同士の確執の原因を作り、今回、再びむしかえそうとしているのは
果たして誰なのか?

「あしながおぢさん」をきっかけに仲良くなった綾子さんが、不思議な文を残して
失踪した。
その意味と理由とは?

資生堂パーラーで目が合った目立つ男性に、家の晩餐会で偶然にも再会し、
そのお宅の披露の会に招かれた。
そこで出くわした事故は、偶然なのか、意図があるのか?

ベッキーさんの鮮やかな推理と、英子をその答えまで導く力も素晴らしいのですが、
英子が誰に対しても公平に対応するところや自由な発言も、その時代としては珍しいと思います。
そして、当時の時代背景や空気を存分に味わわせてくれるのも楽しみです。
これから先は、戦事色が強くなっていくのでしょうが、英子の発言はともかく、
思考の自由さが無くならないでほしいです。

コメント
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