サイン会はいかが？

大崎梢さんの『サイン会はいかが？　成風堂書店事件メモ』を、ようやく読みました。 順番待ちが長かったー。

さて、この本は、駅ビル内の書店・成風堂で起こる、日常のミステリを描いた短編集です。
同じ本の注文が相継いだが、品切れのためお断りの電話をすると、その四人が四人とも、
覚えが無いと言う。いたずら？何かのいやがらせ？『取り寄せトラップ』

社会科の郊外学習で店に来た小学生の中に、特定の本にこだわる子どもがいた。
日頃は本屋に来たことが無いのに、妙に本屋に興味を示しだした。 その理由とは？『君と語る永遠』

ぼくは、成風堂で恋をしましたー バイトの金森くんが語る、成風堂が取り持つ恋物語。
彼女がくれた雑誌の付録の意味するものとは？『バイト金森くんの告白』

日頃励ましてくれる、ペンネームしか知らない熱心なファンの正体を解き明かしてくれる店員がいる書店で、
サイン会を開きたい。 成風堂書店は、その要望に応えることができるのか？『サイン会はいかが？』

旦那さんの転勤のため、遠方に引越し、退職してしまった人気書店員。 そのファン・蔵本さんは、
たまたま機会が無くてお別れを言うこともできず、 ショックのあまり、
大切な写真の入った封筒を失くしてしまった。 心当たりのある場所には見当たらない。その行方は？
『ヤギさんの忘れもの』

今回も、不器用でなければ完璧なアルバイト・多絵が、次々と謎を解き明かして行きます。
特に今回は、成風堂通信というチラシ？小冊子？が付いていてなかなか凝っています。
心温まる物語から、事件性のあるものまで、様々なミステリが取り揃えられており、
とても楽しめますし、考えさせられます。