こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

白の協奏曲

2007-11-29 00:00:00 | 未分類
山田正紀さん『白の協奏曲』を読みました。

呪われた曲を演奏した翌日、M交響楽団は、スポンサーたる商事会社を大型倒産で失い、
解散のはめに追い込まれた。そして、楽団再興のために、悪い奴らに寄付をあおぐことに決めたのである。
つまりは、集団詐欺を働くことになったのだ。

しかし、こんなことが永つづきする筈がない。テロリストの若い娘に脅迫され、
楽団再興の金と引き換えに、東京ジャックの片棒をかつがされるはめになったのである。

でもいつしか情報は警察に漏れ、彼らが独自の情報機関を持つべき理由を国民に知らしめるための
ある計画に利用されることになった。

何のための東京ジャックなのか?誰が誰を操っているのか?楽団員の命は風前の灯なのか?
まるで、つなわたりをするような計画と、黒幕の真意が見えないことに、
初めから終わりまでハラハラしどおしでした。

そして明かされる、悲しみに満ちた東京ジャックの理由。
登場人物全員の行動とその行方も意外性に富んだものでした。

これは面白すぎます。
日本ならでは、山田さんならではの大人の冒険小説。新作も楽しみになりました。
ちなみにこの作品、初出が1978年ですので古い描写があり、とまどわれることと思いますが、
そんなことは気にならないほど面白いので、ぜひ読んでみてください。

今日、用事のついでに図書館に1冊だけ本を返しに行き、返却を済ませたところ、
新刊コーナーにリクエストしたいと思っていた本があり、手に取りました。
すると、カウンター内から「如月さん、リクエスト本が4冊来ていますよ」との声。
はい、それ以上は貸し出し限度を超えますので借りられません。
泣く泣く本を書棚に戻したのでした。
リクエストしまくっているので、もう顔パスなのでしょうか?

コメント
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