飲めば都

北村薫さんの『飲めば都』を読みました。

小酒井都は、出版社に勤めている。
年の頃なら、当人は二十七八、三十でこぼこに見られるだろうと期待している。
酒さえ入らなければ、きちんとした女性に見えるのだが・・・。

学生時代から歓迎会、その他もろもろの酒の席での武勇伝や失敗談を中心に、
仕事からプライベートなことまで、都の様々な日常が、彼女の心の動きとともに描かれています。

タイトルだけ見た時は、エッセイ集かと思いましたが、普通小説でした。
ほのぼのした物語です。

天才探偵Ｓｅｎ６迷宮水族館

大崎梢さんの『天才探偵Ｓｅｎ６迷宮水族館』を読みました。

今回は、海涙水族館に現れるという半魚人の調査。

子どもだけにしか発見者がいないため、千たちは、校外学習にかこつけて捜査を開始した。
すると間もなく、犯人から挑戦状が届いたのだ。
犯人は、水族館をこの騒ぎによって廃館に追い込もうとしているのか、それとも？

今度ばかりは、怖がりの信太郎ばかりでなく、香奈までもが怖い目に遭ってしまいます。
以前より物語がパワーアップした感じです。
さらに、本筋の楽しさばかりじゃなく、ミニクイズも楽しめる趣向になっているところがいいですね。

メイド・ロード・リロード

北野勇作さんの『メイド・ロード・リロード』を読みました。

売れないＳＦ作家・湯浅が、ライトノベルの打ち合わせのため、指定された喫茶店に行ってみると、
そこは、メイド喫茶だった。

シュレーディンガーの猫状態にされた湯浅は、何度も出される編集者のダメ出しの中、
ライトノベルを書き上げることができるのか？

うーん、どうなんでしょう？
このままの状態が続いていくのは、モヤモヤします。
よきにつけ、悪しきにつけ、はっきりして欲しいと思うのですが・・・。

キミがキミを殺す時 屍神少女大戦

岡本賢一さんの『キミがキミを殺す時　屍神少女大戦』を読みました。

高校一年生の砂島タクヤは、ある夜、日頃と違って明るく快活になった自分の家族に殺されかける。
また、学校の女子生徒たちも得体の知れないウイルスに感染させられ、
夜になると、ほとんど不死身で超人的な力を持って襲ってくる。

浄界から来たという三人の少女の力を借り、タクヤは、人類への侵略を目論む黒幕へ戦いを挑む。

正直、ゾンビとの戦いなのですが、ゾンビと違って本当に生きていてこれだから、始末に困ります。
人間にとって本当に大事なものについて考えさせてくれる物語なのですが、
基本想像力５０％減で読まないとつらいです。

奇談蒐集家

太田忠司さんの『奇談蒐集家』を読みました。

「ｓｔｒａｗｂｅｒｒｙ　ｈｉｌｌ」というバーで、奇談蒐集家の恵美酒一と助手の氷坂は、
不可思議な体験談を待っている。

老若男女、様々な人々が彼らの元を訪れるが、いつも氷坂の推理によって、普通の事件となってしまう。

最後に現れる物語こそ、本物の奇談でしたね。
しかも、それまで真実だと思っていたことも、覆りそうになってしまうところが、もっと面白いです。