こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『神様の御用人5』浅葉なつ

2016-01-15 19:35:05 | 読書感想
この度、御用人代理から本採用となった萩原良彦。

今回の神々は、邇邇芸命を始め有名どころが揃っています。
ただ、エビス様が蛭児大神だとは驚きでした。
両親に川に流された、だけしか知らなかったので、祀られていると知っていくらかホッとしました。

今回も、力を削がれて記憶を失くし、ご自分が本当に望むことを忘れてしまった神々。
残った記憶で語られる上辺だけの望みではなく、失われた真実の願いを、心に寄りそうことで思い出してもらおうとする良彦は、思いやりのある好青年だと感じました。

私も、日本書紀と古事記を読んでいるんですけどねー。
編纂された頃には、その後、蛭児大神が信仰を集めるようになるとは予測しようがありませんものね。
面白かったです。
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『シャーロック・ホームズの不均衡』似鳥鶏

2016-01-13 19:38:12 | 読書感想
天野直人と七海兄妹は二年前に両親を殺され、児童養護施設で暮らしていた。
しかしある時、直人の学費と七海と一緒に暮らす生活費を援助し、いずれは養子縁組をしたい、という人が現れた。

染谷と名乗るその人物に長野のペンションで会うことになっていたのだが、なかなか現れず、あろうことか殺人事件まで起きてしまった。
しかも、その不可能犯罪を解決した二人は、諜報機関に追われることになってしまう。
実は、名探偵の遺伝子群を持ち覚醒した者は、世界各国で非人間的に利用されていたのだ。

なるほど、名探偵の頭脳をそのように扱う世界とはねえ。
発想がすごいです。
しかも物語の中でとはいえ、講談社を悪役にした似鳥さん、またその悪役を引き受けて出版させた講談社、共にいい度胸しています。
この物語の流れではシリーズ物になる気配が濃厚なので、直人・七海兄妹は大変だとは思いますが、活躍を楽しみにしています。
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『3時のアッコちゃん』柚木麻子

2016-01-12 19:31:01 | 読書感想
今回のアッコさんこと黒川敦子さんは、「株式会社 東京ポトフ&スムージー」の社長。
ただし、屋台で自らスムージーを販売していますので、まだまだですが。

澤田三智子さんが、派遣から契約社員に昇格したものの正社員に遠慮しているのを見かねたアッコさんは、3時からの会議に英国式のティータイムを持ち込むことを提案、というか命令します。
果たしてアッコさんの思惑通り、会議がうまく進行するのでしょうか?

さて本作では、他にもブラック企業で無理して勤めている榎本明海、お菓子のデザイナーの岸和田塔子、就職活動中の若林佐江が登場します。

ただ残念なのは、塔子さん以降の物語では、アッコさんが直接現れないことです。
でも、周囲の人々の温かいおせっかいによって、それぞれの主人公がよりよい道を切り開いていくところは変わりなく心がほどける気持ちになりました。

面白かったです。
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1/10読売交響楽団 シンフォニー合唱団ニューイヤーコンサート2016

2016-01-11 20:00:30 | コンサート


昨日、読売交響楽団のニューイヤーコンサートに行ってきました。
プログラムは、以下の通り。

テレマン:ソナタ・ド・コンセール

メンデルスゾーン:2台のピアノのための協奏曲ホ長調「第一楽章」

シュトラウスII:ウィーンの森の物語

シュトラウスII:トリッチ・トラッチ・プルカ

チャイコフスキー:バレエ『くるみ割り人形』

デンツァ:フニクリ・フニクラ/カンツォーネ:サンタ・ルチア

カプア:オー・ソレ・ミオ/クルティス:帰れソレントへ

ジョルダーニ:「カロ・ミオ・ベン」

ヴェルディ:「ヴェールの歌」歌劇『ドン・カルロ』より

ヴェルディ:「神よ平和を与えたまえ」歌劇『運命の力』より

プッチーニ:「私の名はミミ」歌劇『ラ・ボエーム』より

プッチーニ:「歌に生き、愛に生き」歌劇『トスカ』より

カタラーニ:「ああ、わがふるさと」歌劇『ワリー』より

ドボルザーク:「白銀の月」歌劇『ルサルカ』より

グノー:「宝石の歌」歌劇『ファウスト』より

ワーグナー:「大行進曲」歌劇『タンホイザー』より

シベリウス:「フィンランディア賛歌」交響詩『フィンランディア』より

プッチーニ:「誰も寝てはならぬ」歌劇『トゥーランドット』より

マスカーニ:「アヴェ・マリア」歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より

シュトラウスII:「美しく青きドナウ」

―アンコール―

シュトラウスI:「ラデツキー行進曲」


今回楽しかったのは、バレエ『くるみ割り人形』
ゆいスタジオの主に子どもたちが、愛らしいバレエを見せてくれました。
ただ、ちょっと残念だったのは、「金平糖の踊り」のチェレスタがエレクトーン(?)だったことでしょうか?
一度は、生で本物のチェレスタの音を聴いてみたいものです。

歌は「神よ平和を与えたまえ」「白銀の月」が、聴いていて気持ちよかったですね。

コーラスでは「フィンランディア賛歌」が一番好きでした。

アンコールは、定番の「ラデツキー行進曲」で手拍子をしながら楽しく終わりました。
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『回想のぬいぐるみ警部』西澤保彦

2016-01-09 19:35:48 | 読書感想
ハンサムで頭脳明晰、エリートの音無警部は、無類のぬいぐるみ好き。
だからというわけではないのだが、彼の関わる事件には、ぬいぐるみがからんでくる。

八十センチ四方の箱に入った大きなパンダ、祖母の形見分けとなったクマ、玩具店の新装開店記念に無料配布されたリス、昔の事件関係者が作ったフクロウ、ラストは警部に首ったけの則竹佐智枝刑事が昔の学友の結婚祝いに持参したペアのテディベア。

初めの四篇を解決するのは警部ですが、最後の事件は佐智枝の天敵、階藤美月。
警部への恋心がばれてからというもの、則竹刑事は、いいように遊ばれています。

もちろん、本題の推理も鮮やかに決めていますので、ご心配なく。
私としましては「あの日、嵐でなければ」と「離背という名の家畜」が好きですが、タイトルとしての面白さは「パンダ、拒んだ」でしょう。
ミステリとしても、それ以外の部分でも、とても面白く読めました。
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