こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『小さいおじさん』堀川アサコ

2016-05-18 19:31:12 | 読書感想
九月初めのまだ蒸し暑い夜。
市役所新人職員の村上千秋は、残業中だった。
ちょうど係長のおごりの親子丼が届いたので、給湯室にお茶を入れに行くと、十五センチほどの小さな着物姿のおじさんが『黒田節』を歌いながら踊っていた。

おじさんは槇原伝之丞といい、私財をなげうってこの市に桜化公園を造った人物だった。
しかし昭和二十年後半、当時の市長がそこに清掃工場を建設したため怨霊として現れ、市役所の離れ、つまり現在千秋が勤める建設課のある建物に封印されたのだった。

ひとりぼっちの人にしか見えない小さいおじさんが、金満経営だった長瀬病院のワンマン院長殺人事件の再調査に乗り出すこの物語。
果たして、その真相は?

ミステリ部分も面白いのですが、このおじさんによって意外とひとりぼっちの人が多いことに気づかされ、それが活躍にもつながり、あれよあれよという間もなく大団円になだれ込むサイドストーリーの面白さも読みどころです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『異種間通信』ジェニファー・フェナー・ウェルズ

2016-05-17 19:33:48 | 読書感想
1964年に、火星探査機マリナー4号は小惑星帯で未知の宇宙船を発見した。
NASAはそれから数十年、その存在を秘密にしてきた。
しかし近い将来、この宇宙船に小惑星が衝突することが分かり、6名のスペシャリストを送り込むことにした。

待ち受ける宇宙人とのコミュニケーションのために、異言語理解能力に特に秀でた言語学者ジェーン・ホロウェイも選ばれたのだが、その宇宙船に入ると、彼女だけにコミュニケートをとろうとするものがあった。

害虫らしき生物、謎の病原菌、コミュニケーション相手の思惑、仲間割れ、とトラブルが続いてハラハラさせられます。
しかも、このエンディングですから。
続きが知りたいような、続いたら長そうな・・・悩ましいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『誰にも探せない』大崎梢

2016-05-15 19:25:19 | 読書感想
坂上晶良は大学生。
大学では郷土史研究会に所属し、未だに小学生以来の埋蔵金探しに熱中している。

そもそも晶良は、幼なじみの伯斗と共にお互いの祖母同士の内緒話を聞いたことから、二人で埋蔵金探しを続けるつもりだった。
しかし伯斗は、一年で「やめた」とこの一件から手を引き、疎遠になってしまった。

ところが最近になって、伯斗は犯罪者集団がこのお宝を狙っているので、先んじて見つけたいと晶良に同行を頼んできたのだ。
わだかまりもありつつ、晶良はこの埋蔵金探しに参加することとなった。

果たして二人は埋蔵金を探し当てることができるのか?

大崎さんには珍しくハードなシチュエーションで、さらに思いがけない展開もあって、かなり驚かされました。
とても楽しく、ハラハラしながら読ませていただきました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『あきない世傳 金と銀 源流篇』高田郁

2016-05-14 19:25:42 | 読書感想
時代は、質素倹約が奨励された享保年間。
学者の家に生まれた幸は、父から「商いは詐なり」と教えられて育った。

しかし、享保の大飢饉をきっかけに最大の理解者である兄を失い、さらに大黒柱の父まで亡くした幸は、九歳で大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出された。

女衆ならば、表に出られず一生鍋の底を磨いて過ごすしかないのだが、番頭・治兵衛にその才を認められ、暗に目をかけられて育っていく。

幸には、同じように学ぶことが好きな智蔵と人生を共にできたらと願ったのですが、その賢さを見込まれて厳しい人生を歩むような気配がします。
彼女も、波乱万丈な人生を歩むのでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小倉井筒屋屋上バラ園にて

2016-05-12 19:43:41 | まち歩き
今日は、小倉に行ったついでに、井筒屋の屋上にあるバラ園に行ってきました。

あでやかに咲き乱れる花々に、つい写真を撮りすぎて、28枚にもなってしまいました(笑)
さすがに全部載せるわけにはいきませんので、一部だけですがご覧ください。













ベタ貼りで申し訳ありませんが、お楽しみいただけたら幸いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする