こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『大和言葉つかいかた図鑑』海野凪子

2016-05-12 19:42:43 | 読書感想
他の国から言葉がやってくる前から日本人が使っていた大和言葉のいくつかを、『日本人の知らない日本語』の海野さんが紹介した本です。

「たしなむ」は「好んでほどよく親しむ」という意味なので、日本酒一升飲んでも平気!という方は、使えないそうです。
そんなわけで、ビール一杯までの私は、たしなむ程度です。

「お鉢が回る」のお鉢というのは「ご飯が入っているお櫃」のことで、いい事の順番がくることだったそうです。
今は、逆ですよね。

「てこずる」が、江戸中期の流行語だったというのも初耳で、きっと、当時の年配の方々は「近頃の若い者は」と仰っていたのかも?と思いました。

一番驚いたのは「つつがなく」
ツツガムシからきている言葉だそうです。

私の年代なら、だいたい知っている言葉が多いんじゃないかと思うのですが、中には、目からウロコの語源や、逆の意味でびっくりしたものもあり、楽しめました。
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『みんなの怪盗ルパン』小林泰三 近藤史恵 藤野恵美 真山仁 湊かなえ

2016-05-11 19:28:43 | 読書感想
変装したホームズを名乗る男がワトソンに自らの正体を明かすが、ワトソンは彼をホームズとは認めない。
さて、その正体とは?「最期の角逐」

売れない画家ディディエが、絵の依頼と愛するシモーヌに会うために通うヴィルヌーヴ夫人の屋敷に、ルパンから手紙が届いた。「青い猫目石」

ラウール少年が母のために初めて盗みをはたらいたのは、6歳の時だった。
しかし今回、道端でスリをはたらいたラウールを諌めつつもその才能を評価して、奇術師の自分の弟子になるようにすすめたのは、ディクソンだった。「ありし日の少年ルパン」

ラウール少年は、信頼に足るドレフュス大尉を危機から救うために、あらゆる手を使った。「ルパンの正義」

ルパンやホームズが好きなのもあって、フランス語や英語を熱心に学ぶ美千代には、一つ悩みがあった。
神戸に降り立ったフランス紳士が相談に乗り、判明したこととは?「仏蘭西紳士」

どれも面白く、色んなルパンを楽しめます。
その日によって一番が変わりそうなくらい、甲乙つけ難い面白さです。
ちなみに、今日の気分は「ルパンの正義」です。
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『20の短編小説』小説トリッパー編集部編

2016-05-10 19:48:43 | 読書感想
20人の作家による「20」をテーマにしたアンソロジー集です。

私が特に好きなのは、

ゲーム関連の会社にやっと就職できたのに、総務部に回されて腐っていた主人公のある日々を描いた「清水課長の二重線」

もしあの時、ああしていればと思い悩んだ男がつかんだチャンス「if」

蒸籠(せいろう)を買った帰りに電車で体験した奇妙な出来事「蒸籠を買った日」

[01]~[20]まで番号を振られた人々が、次々と紹介されつつ不思議な人間関係を明らかにされていく「十二面体関係」

『EPITAPH東京』のサイドストーリー「悪い春」

神様への祈りと呪いは同じと思う和美の祈りと呪いの顛末は?「20光年先の神様」

祖母、母、私の三代にわたって医師の吾美が、久しぶりにメトロポリタン美術館に行った理由「ブリオッシュのある静物」

田奈橋杏が創ったサラダコンピュータの行きつく先を描いた「ヴァンテアン」

ある法則に縛られた世界に住む男が犯した犯罪は、彼に何をもたらしたのか?「法則」

大正時代にどうしようもなく合理主義の清水平太郎が体験した怪異と、その原因と結果「廿世紀ホテル」

さて、どれをどなたが書いたのか?
まずは読んでみて、それぞれのお気に入りを見つけてください。
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『ウルトラマンデュアル』三島浩司

2016-05-08 19:32:52 | 読書感想
ギャラフィアンは、あらゆる星を侵略し続けていたが、光の国がそれを阻んできた。

地球がギャラフィアンの一つ、ヴェンダリスタ星人に支配される三年前の十二月十二日頃、地球の近傍宇宙で二つの勢力の戦いが始まった。

光の戦士は、ほとんどギャラフィアンの母船を無能化したが、敵も敵味方を巻き込んでの消滅を選んだ。

戦士はすべて倒れ、‘‘戦艦’’もやむなく地球に不時着。
戦いのできない光の国の聖女、ティアだけが生き残った。
ところが、ギャラフィアンもほんのわずかだが生き残っていたため、双方の助けが来るまで地球人類はギャラフィアンの支配を受ける状態になってしまった。

ギャラフィアンは地球に降伏を求めたのだが、地球政府が中立を選んだため、考えを変えさせようと光の国の‘‘戦艦’’の周囲の‘‘飛び地’’に次々と巨大怪獣を送り込んできた。

大抵の人々が日和見を決め込む中、故郷を、国を、地球を捨て、ティアと共に戦うため、ウルトラ化する人々も現れた。

そうですね、オリジナルのウルトラマンシリーズも、ただ、正義のヒーローが戦うのを指をくわえて見ていたわけではありません。
どんなに心をくじかれそうになっても、ギャラフィアンに抵抗しようとする人々の葛藤と勇気に心動かされました。
この本では、ウルトラマンじゃなく普通の人々が主役だというのも、共感できました。

あと、三島さんのあとがきですが、タロウは、そんなに再放送が無かったんですか?
私もいくらか大きかったので判断しにくいのですが、それなりに面白かったと思うのですが・・・。
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『みんなの少年探偵団2』有栖川有栖 歌野晶午 大崎梢 坂木司 平山夢明

2016-05-06 19:30:49 | 読書感想
未来人Fを名乗る人物が、公共の電波を使って国宝を消すという予告をしてきた。
明智探偵が留守の今、小林少年と警察は国宝を守り抜くことができるのか?

二十面相の言うように、禁じ手スレスレを扱った「未来人F」を始め、少年探偵ごっこをしていた少年たちの五十年後を描いた「五十年後の物語」やはり、明智小五郎や小林少年の子孫の世代を描いた「闇からの予告状」など、それぞれに趣向を凝らした少年探偵団を楽しませて下さいます。

私としては、ご自身の持ちキャラを登場させてニヤリとさせて下さった「闇からの予告状」が特に好きです。

また、明智探偵の隠された姿を考えさせる「うつろう宝石」や乱歩のエログロを強調したような「溶解人間」も面白いです。
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