
わたしは主食(米飯やパン)と副菜(おかず類)が一緒になった食べ物が好きである。
天丼・カツ丼などの丼ぶりもの、寿司や具入りおにぎり、サンドイッチに惣菜パン・・・。
なぜ好きかというと、主食と副菜を一緒にしてほおばると、味が「1+(プラス)1=(イコール)2」ではなく、「3」にも「4」にもなるからだ。
鰻の蒲焼定食より、鰻とご飯とタレがネットリからまった熱々の鰻丼(鰻重)をかっ込むほうがどれだけ美味しいことか。
同じく、カツ煮定食よりカツ丼。(写真)
ハム、トマト、レタスをそれぞれつまみ、合間にパンをかじるより、ミックスサンドにしてかぶりつくほうが明らかに旨い。
にぎり寿司にいたっては「鮨飯(すしめし)」と「鮮魚の切り身」が合体することにより、それぞれの域を超えた別次元の味世界が広がる。
いずれも “相乗効果” が生ずるのだ。
ほかにも、ハンバーガー、肉まん、中華まんなど、‘美味相乗効果型主食副菜一体化食’ は世の中に少なくない。
ふと思い出したのだが、中学生の頃よく持たせられた 「海苔弁」 もそうであった。
アルマイト製の弁当箱にご飯を入れ、その上に醤油に浸した海苔をしきつめる海苔弁は、昼にフタを開けると、そこにはご飯の湿気と半日という時間の恵みで、ご飯・海苔・醤油がほどよくなじみ、ワンランク上の美味が生まれていたのである。
海苔は、ウニやイクラを脇で支えるだけではない(軍艦巻き)。実は、みずからが時代を超えて、人々に食べることの幸せを与えつづけてきた名副菜、いや ‘主菜’ なのであった。
こんなことをアレコレ言っているあいだは、わたしの正月太り解消ダイエットは成功しないことでしょう。
2017.2.11
*写真は「池袋 満留賀」のヒレカツ丼。