Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

NZと亜南極 16 マッコーリー島前編

2024-01-31 13:44:05 | オセアニア

12月1日

朝食を摂っている間に船はマッコーリー島に到着。

南北に細長い島の北端に投錨した。

島の突端近くには平地になっている部分があって、
 よく見ると人工の建物が見える。これはオーストラリアが1948年以来設置している南極圏観測のための基地だ。

朝食後、少し時間があったので船内をうろうろしていると珍しくブリッジに入ることができた。
 
前回の南極クルーズでは頻繁にブリッジに入れたが、この船ではなかなかオープンにならなくて、この時もたまたま人が少なかったので入れてくれた様子。さすが新しいだけにすっきりしたブリッジ。
 船の周りではペンギンが泳ぎ回っているのが見える。
これはキングペンギンだ。

10時になったらボートを下ろして島に上陸。基地近くの浜でもペンギンがお出迎え。
 
救命胴衣を入れておく箱のそばにはミナミゾウアザラシの子供たち。
 
この子たちは好奇心が強いらしくて勝手に寄ってくる。
 砂浜中にゴロゴロしていて、
 
少し大きいのは威嚇しあったりもしているけれど
 
クリクリとした目がなんともかわいく、
 
ペンギンたちとも仲良く同居中。

 
世界遺産の看板の先には展望台への階段があるので
 
これをひたすら上って行くと

右手に上陸した島の東側の浜。
 
 正面には観測基地。この基地、以前は中でお茶などいただくことができたのだが、コロナ以降は訪問禁止になってしまったとか。

そして左手には島の西側の浜が見える。
 浜近くに散らばるゴマ粒はペンギンだ。

展望台を降りて西側の浜に向かうと
 
草の中にも大きいのや小さいのやゾウアザラシがいっぱい。

 
しかし途中に見える赤さびたタンクや歯車は19世紀から第一次大戦前まで続いたアザラシやペンギン狩りの痕跡。まずは1810年からの10年間で20万頭ほどいたオットセイが毛皮のために根絶され、次にはゾウアザラシとペンギンが脂を採るために乱獲されたそう。タンクには一度に2,000羽のペンギンが押し込まれて殺されたなんて、ひどすぎる。
が、その後この島は自然保護区となり、外来の猫やウサギ、ネズミも完全駆除したおかげでアザラシや鳥類、植物も順調に回復しているのだそうだ。

 
西の浜にはオオフルマカモメやトウゾクカモメ、シロフルマカモメ。
 
キングペンギンにジェンツーペンギンもいた。

 
島で2時間を過ごし、ペンギンたちに見送られて船に戻ると
 
本日のお昼はオープンデッキでバーベキュー。
 
キッチンスタッフの力作を見ながらおいしくいただいた。


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NZと亜南極 15 オークランド島後編

2024-01-28 15:29:58 | オセアニア

11月29日 続き

昼食の間に船は移動し、オークランド島の南端にあるCarnley Harbourに入って来た。
 Harbourといいつつ実は海峡になっていて、右手はオークランド島。

左手はアダムズ島に分かれている。

ボートを下ろしてまたクルーズで島の周辺を見て回る。
  
 
こちらのラタはもうすぐ真っ赤に開花しそうだ。

岩場にたくさんいる白黒の鳥たちは残念ながらペンギンではなくすっかりおなじみになったウミウたち。
 
木の枝には顎の下に白い羽のあるトゥーイもいた。

アダムズ島の石ころの浜に近づくと小さなカモがいた。
  
 
茶色で目の周りが白いこのかわいいカモは翼が短くて飛ぶことができない。天敵のいなかったこのオークランド諸島の固有種だが、オークランド本島には昔入植者が豚や猫を持ち込んだので絶滅してしまい、外来生物を駆除したアダムズ島の方にしかいないのだとか。
 こんな所にまで入植しようとしたのもすごいが、一度持ち込んだ外来生物を今は大変な労力をかけて根絶しようとしている。それでも大きな本島にはいまだに豚、猫の他にネズミなどがいるのだそうだ。

さらにクルーズを続けていると
 
崖の上の方、木の間にキンメペンギンを一羽発見。
 草の間からはアシカが顔を覗かせている。

 2時間のクルーズを終えて船に帰還。

11月30日

本日は一日航海日。
3食の間にネイチャーガイドによるプレゼンテーションがいくつかあり、またバイオセキュリティの装備品チェックがあるだけ。

興味深かったのは亜南極の特徴のこと。
南極圏とは南緯60度以南を指すが、今回訪れている島々は南緯48度から55度。
だから領有が認められていて、オークランド島まではニュージーランド領、次に向かうマッコーリー島はオーストラリア領になっている。
この南緯60度の北と南では大違いで、亜南極では夏の気温が5~8℃、冬でも0~6℃と気温差があまりなく、雪や氷もほとんどないのだとか。
水温も5℃程度なのが、南極圏に入った途端に0℃を下回る。この境界線にあるから亜南極の島々には動植物が豊富なのだそうだ。

こんな話を聞きながら、15時過ぎにオーストラリアの領海に入った。
するといつの間にかスマホの時刻表示が1時間遅いオーストラリア時間になっていた。


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NZと亜南極 14 オークランド島前編

2024-01-19 12:11:25 | オセアニア

11月29日

船は昨日からほんの少し移動して、エンダービー島の南にあるこの諸島で一番大きなオークランド島の中間あたり、Musgrave Inletという入り江に入って来た。
 丘のてっぺんには建物のようなものが見えるが、これは自然の岩。
 
この島には上陸が許されていないので、8時からボートを下ろして崖の周辺をクルーズする。

切り立った崖が続く中、ガイドが早速岩の間にペンギンを発見。
  
 
ここにいるのはミナミイワトビペンギン。スネアズペンギンと同じぐらいの大きさでやはり目の上に黄色い羽がある。
黄色い目を三角にして怒っているように見えるがこれは眉毛。その下に真っ赤な目がある。
しばらく見ていると奥からもう一羽、つがいだったのね。

 
頭上をハイイロアホウドリが飛ぶ中、さらに岩に目を凝らしていると
  もう一羽発見。
しかし遠くて、こういう時は長いバズーカがうらやましい。

他にもニュージーランドヒタキやキョクアジサシが見えて
  
 
岩の間には昨日たくさん見た黄色い花も咲いている。陸地に密生しているのはラタという木。もう少しすると北島で見たポフツカワと似た花で一面真っ赤になるのだそうだ。

海岸線の近くには海草がいっぱい。
  
 
肉厚の昆布のようなものや東北の松藻に似たものも見えるし、岩の上にはアオサのようなものも。日本人ならここに漂着しても食べ物には困らないかも。

崖の所々には穴が開いていて、ボートはその中に入って行く。
   
 
透き通った海の色がものすごくきれい。

こちらはまた別の洞窟。
 
この島は火山の噴火でできたというのが地層から見える。

  
 崖に巣を作る海鵜を見ながら帰ろうとすると
  
もう一羽イワトビペンギン発見。目が見えないとやっぱり怒っているように見える・・・。

今日の気温は8℃。さすがに風が冷たくなってきた。
2時間のクルーズを終えて船に戻った。


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NZと亜南極 13 エンダービー島後編

2024-01-17 13:18:20 | オセアニア

11月28日 続き

昼食後、林から出てまた海沿いを歩いて行く。
 
キャベツの間にはアシカ
 
岩場にはまたキンメペンギンがいた。かわいいピンクの足先まで見える。
 すぐ隣にいるアシカと見つめあうの図。

  
 あっちにもこっちにもアシカ。

 
歩きにくい草をかき分けながら崖を少し降りて行くと
 
海鵜の巣にまだ頭がぽよぽよのヒナがいた。

さらに行くとまたキンメペンギン。
 
頭を下げると眼のふちの黄色い線が頭の上までつながっているのがわかる。
キンメペンギンは群れを作らないので本当に一匹づつ。

浜から少し上ると一面に白い花が咲いている原があった。
  
 
こちらはメガハーブの一種、ここではまだ小さなつぼみだったが、この花は茎が高く伸びるのだそうだ。

気を付けて歩けば他にも亜南極固有の花がいくつもあって

圧巻だったのは辺り一面黄色いBulbinella Rossiiでいっぱいだったところ。
  
 
花穂に小さな花がぎっしり。

ここを上ってしばらく行くと木道が現れ、崖を望むベンチに着いた。
 
これで道なき道を行くハードなトレッキングは終了。ここから上陸した浜まではずっと木道が続いている。

この木道の脇は草地になっているが、草の間に所々白いものが見える。
 
これが地面に巣を作るアホウドリ。
 
これはたぶんサザンロイヤルアルバトロス。頭上を滑空する様がかっこいい。

 やがて前方に船が見えてきた。
 
その手前には背の低い木の生えている所があって、ちょっと中に入ると避難小屋があった。
これはこの辺りで遭難する船が多いため、難破して流れ着く船員たちのために物資が備蓄されていたのだそうだ。

 出発点の浜に帰り着いたのは8:45に歩き始めた7時間後の15:45。歩いた距離は17キロ弱だけれど、足元が悪い所を重いゴムブーツで歩くのは大変。荷物が多くて断念したが、ハイキングブーツを持ってくればよかった。

楽しかったけれど、さすがに疲れた。


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NZと亜南極 12 エンダービー島前編

2024-01-11 17:18:07 | オセアニア

11月28日

朝食を食べているうちにスネアズ島の南のオークランド諸島に到着。
 いくつかある島の中で一番北にあるエンダービー島に近づく。
 
島の周囲ほとんどは崖のようだが、一部に小さな砂浜が見えて、その一つに今日は上陸する。

 
ゴムボートで近づき、昆布に覆われた浜に上陸。
 その先の砂浜では大きなニュージーランド・アシカが早速お出迎え。

この島ももちろん特別保護区だが、クルーズでは許可を得て上陸。
 
草地に上がると砂浜にアシカがゴロゴロしているのが見える。

本日はこの島の外周をほぼ半周するトレッキングに参加。
 先導するガイドに続いて歩いて行く。

歩き始めは良く晴れて、青い海がきれい。
 
 
砂浜に座っているのはオオフルマカモメ。
 景色を見ながらぼーっと歩いていると思わぬところにアシカがいてぎょっとする。野生動物からは5m以上離れるように言われているが、突然現れるので離れようがなかったりする。幸いにして浜にいるのは若いオスなので、子連れのメスのようにこちらに向かってきたりはしない。

 
少し木の生えた方に入って行くとシダがたくさん生えていて、やがて前方が止まってしまったのでどうしたのかと思うと
 
行き先にキンメペンギンがいたのだ。英語ではYellow-eyed Penguin、その名の通り目が金色でそのまわりも黄色い。体長は6,70cmで、この種はコロニーを作らない。ニュージーランドにしかいない種で、ペンギンの中でも最も希少な種の一つとのこと。これが早速見られるとは、ここまで来た甲斐があった!

ペンギンに通せんぼされたので、また海沿いに戻る。
 
すると背の高い草がたくさん生えている所があるのだが、これがくせ者。長い草を踏んでしまうともう片足が引っかかるし、全く見えない根元は高くなったり、くぼんでいたりで歩きづらいことこの上ない。

それでも崖の上に出るとAuckland Island Shagという海鵜が巣を作っていて
  
  
岩の上にいたかわいい鳥はチドリの一種だろうか。我らが船の上にはうっすら虹がかかっているのが見えた。

 長い草が生えていない所ではピート層で地面がフカフカしている所もあって、こういう所は気持ちよく歩ける。

周りにはメガハーブと呼ばれる大きく成長した植物が見えて、
  
 これはメガキャベツなどと呼ばれるもの。
亜南極の島々では遭難船が多く、島に取り残された人々はこの葉っぱを食べたり、アルコールを作ったり(!)したのだとか。
 こちらはギザギザした葉のためだろう、メガキャロット。
 
なんだか安易な名付け方だ。

 
メガキャベツの間からもいきなりアシカが顔を出したりするが
 その向こうに林があるので、風除けのために中に入って
 
持参したハムサンドでお昼ご飯。

周りからは鳥の鳴き声がいっぱい聞こえて
 
これはかわいいニュージーランドヒタキ、Tomtit。
 他にもたくさんの種類の鳥がいて、熱心なバードウォッチャーたちはあれはなに、これはなに、と言っていたけれど、素人にはわからない。


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NZと亜南極 11 クルーズ船の人々

2024-01-10 12:00:47 | オセアニア

11月27日 続き

ボートクルーズから戻ったらお昼ごはん。
軽食がとれるという最上階のビストロに行ってみると満員。窓脇のソファでタイ風チキンサラダをいただいたが
 カシューナッツがいっぱい入っておいしい。

船が島を離れるのを見ていると鳥たちが追いかけてくる。
  
 きれいな羽はマダラフルカモメ。
 
顔が黒いハイイロアホウドリはかわいくて、見ていて飽きない。

午後、最初のイベントはBiosecurity。
これは明日、島に上陸するために必要な装備品のチェックで、着ていく衣類、リュックなどの持ち物すべてに土や植物の種などが付いていないかをスタッフが入念に調べる。
会場には掃除機からピンセットまで用意され、チェックする人はライトまで使う細かさ。
これぐらいやらないと孤立した島にも外来植物などが入ってしまうのだそうだ。

18時半からは船のキャプテンのご挨拶。
 飲み物とおつまみが振舞われて
 
ポーランド人キャプテンが船の運航スタッフ、ホテルスタッフ、キッチンスタッフなどを紹介してくれる。
今回、船のクルーは総勢87人、それにクルーズツアーのスタッフが17名。
お客さんの方は定員140人に対して99名。なので客1人にスタッフが1人付くという贅沢さ。

お客さんのほとんどはニュージーランド人とオーストラリア人で割合は半々というところ。
他にアメリカ人やイギリス人も少しいたが、彼らのほとんどはNZかオーストラリア在住ぽい。
アジア人は自分と中国人のおじさんが二人だけ。おじさんの一人は世界中旅していてこのクルーズも2回目という年配者、もう一人はでっぷり太って誰とも交流しない怪しい中年。二人とも謎だ。

結構なお値段(物価上昇や為替のためもあって前回の南極クルーズのほぼ2倍)のため、お客さんの平均年齢はかなり高い。南米からの南極クルーズ経験者もほとんどそうじゃないかと思うぐらい多い。一度経験するとみんなペンギン信者になるのだね。

そんな中、若い女の子たちが17名もいて、聞けばクルーズ会社が募集したTrue Young Explorersという一種の奨学金の選抜者だという。応募資格は18歳から30歳、なぜこのクルーズに興味があるかを書いて選ばれるそうだが、みんな環境保護やら水族館勤務、海洋学専攻など本格的。客室に余裕がある時だけ募集するそうだが、ツアーのPRにも役立つし、スタッフに加わる人も出るなど一石二鳥、三鳥の賢い活動。ただしなぜ女の子ばかりなのかは謎。応募資格に性別は関係ないそうだが。

スタッフ紹介が済んだら今夜はキャプテンズ・ディナー。
 
サラダの後にシャンパン・シャーベット。
 
NZの羊はやっぱりすごくおいしい!レモンメレンゲパイまで大満足。
ドイツ人シェフ、ごちそうさま。


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NZと亜南極 10 スネアズ島

2024-01-09 17:38:55 | オセアニア

11月27日

Heritage Adventurer 号はスタビライザーが良く働いて揺れが少ない。
大体船の上では心地よい揺れでよく眠れるのだ。

ということで船上での初めての朝。
 
ビュッフェに選択肢はふんだんにあるが、控えめにオートミールとヨーグルトをいただく。

食事をしているうちに船は今回のクルーズ最初の投錨地に近づく。 
 赤丸で囲んだ島々が今回の行先。

最初の目的地、スネアズ島は本土から200キロ、南緯48度にある。

ニュージーランドの亜南極にある島々はいずれもユネスコの世界自然遺産に指定され、自然保護のために厳重に管理されている。
中でもスネアズ島は限られた研究者しか上陸が許されていないので、我々はゾディアックというゴムボートで海上から見るだけだが
 
マッドルームでライフベストとゴム長靴を身につけ
 
カードをスキャンして長靴を消毒液に漬けてから
 
タラップを降りてボートに乗り込む。
 海上から見る我らが船、やっぱりかっこいい!

 
島に近づくと波打ち際の岩には海草がびっしり生えている。

 やがて岩の上に見えてきたゴマ粒は待望のペンギン!
 
岩の斜面にいっぱいいるが、その上の草地や灌木の間に巣があるのだろう。かなり上までヨチヨチと歩いている。
 海藻の間から海に入った連中は海上を飛んでくる。

 
かなりの急斜面、岩の隙間にもペンギン。

ボートは島をまわって、少しでもペンギンに近づける所を探してくれる。
  
  
 ここにいるのはスネアーズ・ペンギンと言うこの島の固有種。体長は5,60㎝ほど、くちばしの横から目の上に黄色い眉毛のような羽が生えているのが特徴。
 
この島でしか見られないこのペンギンが見られてうれしい!!

島には100ヶ所ほどコロニーがあるそうだが
  
  
  
険しい岩の斜面をずっと上まで上って行く姿がけなげでたまらん。

ペンギンたちはニュージーランド・アシカと共存していて
  
 
アシカたちは基本的に魚を食べるので近くにいても大丈夫らしい。

 
島には他にもトウゾクカモメやマダラフルカモメなどなど、たくさんの鳥がいるが
  
 
やっぱりペンギン。泳ぎ回るペンギンたちに見送られて、2時間のボートクルーズは終了。

小雨が降っていたけれど気温は12℃、寒さを感じることなく船に戻った。


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NZと亜南極 9 Heritage Adventurer 乗船

2024-01-07 14:59:35 | オセアニア

11月26日 続き

ブラフ港から乗り込んだのは Heritage Adventurer 号。
 1991年にフィンランドで建造された船で現在の船籍はポルトガルのマデイラだが、今回のクルーズを催行するニュージーランドのHeritage Expeditions社の持ち船。青と黄色の船体がかっこよく、総トン数は8,378トン。

タラップを上がって船のスタッフに迎えられたらすぐに今夜からの船室へ。
 
客室はデッキ3からデッキ6まであるが、自分に割り振られたのはデッキ4のシングル部屋。
と言っても今回は豪華で、22㎡の部屋には大きなキングサイズベッドにソファがあり
  
 
収納もたっぷりでセーフティボックス付き。デスクのモニターでは現在位置から一日のプログラム、レストランのメニューまで見ることができる。
 
バスルームの設備も万全で、つい比べてしまう以前の南極クルーズの船室とは大違い。まあ、あれはあれで楽しかったけれど。

部屋をチェックしたらラウンジで出国審査があり、パスポートは船に預ける。
そして船に乗ったらまずしなければならない避難訓練。
 
部屋にある救命胴衣を持って最上階に上がり、救命胴衣の付け方を教わって
 自分の乗るべき救命ボートを確認する。
今回は中を見せてもらえなかったけれど、以前よりこれも大きなボートだ。

避難訓練が終わったら少し時間があったので、早速船内の探索へ。
 
自分の船室と同じデッキの後方には船客全員が一度に食事できるダイニングルーム。

 
その一つ上にはバーラウンジがあって、プレゼンテーションなどのイベントはここで行われる。
お茶やコーヒーは常に用意してあって、ここにあるクッキーがおいしいのだ。

 
デッキ6の前方はブリッジ、後方には朝昼に簡単な食事のとれるビストロがあって、その外はサンデッキ。

もう一つ上、ブリッジの上には図書室があって、
 
後方、避難訓練をした場所にはプールがある。この船はボルネオなど暖かい海にも行くのでこんな設備があるのだが、今回はもちろん出番なし。
 
さらにジムにジャグジー、サウナまであったけれど、これらは使わずに終わってしまった。

やがて集合のアナウンスがあり、ラウンジでツアーリーダーからこれからの旅の説明や注意。
 今回のリーダーはニュージーランド人のベテラン女性。テキパキしつつユーモアもあって、いかにも有能そう。

これが終わったら夕食の時間、みんなぞろぞろとダイニングへ。
 こちらでは昼、夜きっちりメニューが渡されて、前菜、スープ、メインにデザート、毎回2、3種類から選ぶことができる。ワインもニュージーランド産だけではなく、オーストラリアやアメリカ、チリなど毎日変わっていた様子。

初日に自分がいただいたのはニース風サラダにニュージーランド・サーモン。
 
このサーモンの焼き具合が中はしっとりパーフェクトで、盛り付けもおしゃれ。
今回の食事には期待できると考えているとにぎやかな声が聞こえてきて
 
オール・フィリピン人のキッチンとサービススタッフが歌いながらケーキを運んできた。
隣のテーブルの女性のお誕生日祝いで、お裾分けをいただいてしまった。

この食事をしている間、19時半に船は出港。
 
他に客船のいない静かなブラフ港を離れた。


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NZと亜南極 8 クイーンズタウンからブラフ

2024-01-06 16:35:25 | オセアニア

11月26日

今日はクイーンズタウンを出て南島の最南端に向かうが、午前中はフリータイムなのでまた湖岸の散歩に行く。

 
街にはトレイルがいくつもあって、湖に沿って歩いて行ける。
 
途中いい声で鳴いていたのはヒバリの一種?きれいな羽の鳥はズアオアトリと言うらしい。

ホテルと繁華街の間にクイーンズタウン・ガーデンという大きな公園がある。
よく整備された公園内には彫刻などもあって
  
 
プレートが付いている岩が所々にあるのは故人を偲ぶためのもの。散骨などしているのかどうかはわからないが、こんなきれいな公園にお墓があったらいいね。
  
園内は様々な色のシャクナゲが満開。
  
イギリスっぽいローンボウルのクラブの周りも花でいっぱい。
 
池の傍にいた鴨の親子がかわいい。

公園の端の門をくぐると、昨日も来た遊覧船乗り場のビーチ。
 
今日は黒い水鳥がいっぱい。
 
この目の前にあるのがパタゴニア・チョコレートという有名店。
昨日の午後は長蛇の列だったが、今日は空いていたのでアイスクリーム、7ドル。盛りが良くて、これ一つでおなか一杯になってしまった。

というわけでホテルの昼食はお茶だけもらって、13時になったらクルーズ参加者はバス3台に分乗してクイーンズタウンを出発。
 
ワカティプ湖に沿って走って行くのだが、湖岸はエニシダだろうか、黄色い花がずっと続く。
湖は街から南へ長く続いていて、湖を離れるまで小一時間もかかった。

 
まわりは牧草地が続き、一番多いのは羊。
 
牛もたくさんいるが、お尻が白い茶色い動物は鹿。脂肪の少ない鹿肉もこの国では人気らしい。

こんな景色の中を走ること2時間半、Wintonという小さな町でトイレ休憩。
19世紀半ばからの町で、昔は鉄道も通っていたらしいが、ここの公衆トイレが超優秀。
 
ピカピカの扉を閉めるとジャズっぽい音楽が流れて、「使用最長時間は10分です」というアナウンスが流れるのだ。中もきれいで、これが無料。NZはどこでもトイレがきれいで、日本人でも安心して使える。
 
このすぐ横の昔の駅舎らしき建物はビアガーデンになっていたが、ここでアサヒスーパードライの看板を見るとは。

この町を出て30分ほどでこの辺りでは一番大きなInvercargillに入る。
 
スペル通りに読めば「インバーカーギル」だが、こちらでは「インバーカーゴ」と発音する。
しかしここは素通りして、さらに30分走ると港町ブラフに到着。

冬は牡蠣で有名なところだそうだが、平屋の家がパラパラと並ぶ本当に小さな町。
  
 
ここからいよいよ船に乗り込む。


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NZと亜南極 7 クイーンズタウンの午後

2023-12-27 18:03:35 | オセアニア

11月25日 続き

お腹を満たしたらクイーンズタウンの街の背後にそびえる山の展望台を目指す。
 
スカイラインゴンドラと言う名前のケーブルカーは標高347mから784mまでを10分ほどで上がる。往復で52ドルとかなりいいお値段だが大人気。
同じく一人旅のインド系の女の子と一台のゴンドラに乗ると
 
かなりの急斜面を上がって行くので眼下の街がみるみる小さくなっていく。

頂上にはレストランや土産物屋の入る建物があって、その外側が展望台になっている。
外に出ると

思わず声を上げてしまうほどの素晴らしい景色。特に今日は雲一つない晴天なので、ワカティプ湖のきれいなこと。
 
展望台の脇からはタンデムでパラセーリングができて、結構ひっきりなしに飛んでいく。
どこに降りるのかと見ていると、ゴンドラ乗り場の少し下に広い校庭のような所があって、正確にそこに降りて行く。
帰り際には畳んだセールを背負ってまた上がって行くスタッフを何人も見かけたので、この人たちはこれを一日に何往復もするのだろう。なかなか大変な仕事だ。

素晴らしい景色だけれど、何時間も見ているわけにはいかない。と言ってこのまますぐに降りるのももったいないので、ゴンドラ乗り場に簡単な地図のあったトレイルを歩いてみることにする。
 
展望台の上からはリュージュと称してそりで滑り降りてくるコースがある。このコースの脇からハイキングコースが伸びていて、杉林の中を上って行く。
 
しばらく行くと大きな額縁が作られていて、その向こうに見えるのが標高1,748mのベン・ロモンド山。スコットランドにも同じ名前の山があるそうで、このエリアに金を採掘しようとやってきたスコットランド人たちが故郷の山を偲んで名付けたとか。
山の頂上まで往復すると5,6時間かかるが、人気のトレッキングルートらしい。

こちらは山の姿を眺めただけでまた杉林の道をたどり、しばらく行くとリュージュ乗り場の上に出た。
 
少し下には今日はお客さんがいないようだがバンジージャンプのプラットホームも見えるし、ハイキングルートの入り口から先にはマウンテンバイクのコースもあって、ゴンドラにバイクを乗せてくる人たちもいっぱい。
なかなかスリリングなアクティビティ満載だが、NZ人がなぜこういうものを好むのか、この国に来ると理解できるような気がする。申し訳ないが、この小さな国には刺激がなさすぎるのだろう。

 
滞在1時間半ほどで街中に戻り
 
遊覧船の出る湖畔に行ってみると、カモメのいっぱいいる砂浜の水がきれい!
 
ホテルのすぐ下にも砂浜があって、その向こうに見える緑はゴルフ場だ。

ホテルに戻って今度はクルーズのチェックイン手続きをして、19時からは他のお客さんたちと夕食。
 
日本人観光客も来ているこのホテルのビュッフェは正直いまいち。
初対面のみなさんと挨拶しながらの食事はなかなか緊張する。


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