Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

アルバニア周遊 19 オフリド前編

2024-11-23 14:35:08 | ヨーロッパ

9月27日

朝、部屋のベランダからの眺め。
 雲一つない、最高のお天気。

朝食をとるため、宿泊している建物を出て隣の建物の扉を開ける。
 
このホテルはワイナリーを経営していて、半地下のこの食堂の奥はワインセラーになっている。
 
野菜やチーズなどの他に卵料理も作ってもらえるが、昨晩はちょっとお腹の調子がよくなかったのでケーキをほんのちょっとだけいただくことにした。

商店が開き始める時間を待って街歩きに出発。
まずは昨晩も来た湖畔の広場へ。
 
ここから真っすぐ、一番の繁華街になるメインストリートが伸びている。

まずは両替屋で北マケドニアの通貨、ディナールを入手。
観光地であるオフリドでは大抵の支払いはユーロで大丈夫だが、教会の入場料に必要かと少し両替しておいた。
 1€=60ディナール。
とてもきれいな図柄。この国ではキリル文字になる。

メインストリートの先も広場になっていて、左手上方にはキリスト教会。
 
右手にはモスクがある。

ショッピングストリートの視察を終えたら旧市街に突入。
  

まずやって来たのは小さな St. Bogorodica Bolnichka 教会。
 
入口を入ると銭湯の番台のようなブースがあって、ここで入場料50ディナールをお支払い。
  
小さな堂内正面のイコノスタシスは1833年に作られたものだが、壁面のフレスコ画は1368年に描かれたもの。
 
入口を入ってすぐの壁にもフレスコがいっぱい、修復作業もしている様子。
オフリドの教会入口にはどこも英語の説明があるのがありがたい。

この教会から細い路地を挟んだ斜め向かいには St. Nicola Bolonichka 教会。
  
 
こちらは先の教会よりちょっと古く1313年の建立。フレスコの状態はこちらの方が若干いい。
先の教会のおばさんがこちらも管理していて料金徴収、最初は「写真禁止」と言っていたのが「3枚までOK」になって、我々がおとなしく熱心に見ていたためかその後はいくら撮っても何も言わなくなった。
我々の見学が終わると「両方見るのは大変なのよ」とでも言っていたのだろう、ブツブツ言いながら前の教会に戻って行った。

次に入ったのは Robovi Family House。1864年、この地の豪商が建てた家が今は国立の博物館になっている。
 
入ってすぐの1階にはなぜかローマ時代の石柱などが並んでいるが、2階から上は19世紀のお屋敷。
  
  
 
細かな木彫りはこの地方の特産らしい。

博物館の少し先、一番観光客が多くいたのは St. Sofia Cathedral。
11世紀建立の大きな教会内には古いフレスコが残るが写真撮影禁止。
  
  
裏から側面に回ると大きさがよくわかる、威厳のある造り。

この少し先で湖岸の建物はなくなって、その先は水上を歩く木道になっている。
  
 
湖水は緑がかっているが澄んでいて、石のビーチではまだ泳ぐ人たちも結構いる。
ここは標高690mもあり、湖の水深は深い所で288m、ヨーロッパで一番古い湖なのだとか。

ビーチを過ぎるとその先の小高い岩の上に小さな教会が見える。
 
St. John of Kaneo 教会は13世紀末に建てられたもの。
 
小さな教会はこの裏の崖から見下ろす景観こそが有名。


天気のおかげで観光ポスターのような写真が撮れた。


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アルバニア周遊 18 北マケドニア入国

2024-11-22 14:22:19 | ヨーロッパ

9月26日 続き

ベラトを出発し、まずは北へ向かう。
町を出てすぐに目に付いたのは交差点に置かれた古いミグ戦闘機。
 この脇の広い敷地はアルバニアがソ連と仲良くしていた頃に作られた空軍基地で、それが今はNATOの基地になっている。アルバニアが2009年からNATOに加盟しているとは、不勉強にして全く知らなかったので驚いた。

その少し先に行くと小さな油井のやぐらがたくさん並んでいる所があった。
 ここでは原油が採れる、が国内に精製施設がないのが問題とのこと。

 
オリーブ畑の続く中をしばらく行くと交通の要衝、エルバサンが近づいてきて
 今度は大きな工場が見えてきた。これは中国と仲良くしていた時代に作られた鉄工所。が今はほんのわずかに民間企業が操業しているだけでほとんどは廃墟なのだとか。
アルバニアには鉱物資源などもあるがインフラが整っていないので活用できず、政治が腐敗しまくっているので有能な人材はみんな海外に行ってしまう、なんのための民主化だったのか、とガイド氏は嘆く。

時間はもう2時。なかなかランチ休憩にならないな、と思っていたらエルバサンの外のレストランに停まった。
 
車がたくさん停まっていて、広い店内にお客さんは少ないが、天気がいいのでテラスはいっぱい。
ここはビーフステーキで人気の店だそうで、なるほど、ここに来たかったのでお昼が遅くなったのか。
 
ということでガイド氏おすすめのTボーンステーキとピラフを注文。ステーキは脂身がなくて、ちょっと硬いがおいしい。ピラフにヨーグルトをかけると、「君も立派なアルバニア人になったね」とガイド氏ご満悦。この一皿が500レク(約800円)。

エルバサンを過ぎたら東へ向かう。
 
緑の山が続いてその中を線路が走っているが、今は列車は通っていない。

やがて道は山を登り始めて、とてもいい景色。
  
 1000mを越える峠を過ぎた所でガイド氏は車を停めて何やら支払いをした。聞くとこれから北マケドニアに入る、するとアルバニアの車保険が効かなくなるので、ここで短期の保険に入るのだそうだ。

やがて右手に湖が見えてきた。これがアルバニアと北マケドニアの国境にあるオフリド湖。
 
すぐに国境の検問所があったが、車を降りることもなくパスポートを見せるだけ、10分もかからずに通過した。

ここを過ぎたら湖の北を回って東側にあるオフリドの町に入る。
が、町の手前にはパトカーがたくさん停まって脇道に入るよう指示され遠回り。後で聞くとちょうどハンガリーの首相が来ていたせいとのこと。
さらに旧市街に入ると狭い道が入り組んでわかりにくい。散々迷ってようやくホテルへの道にたどり着いたが、急坂の途中にあるホテルへは車が入れなくて、石畳を大荷物を引きずって入ることになった。

  中も階段しかなくて苦労したが
  
 部屋の外には小さなベランダがあって

赤い屋根の向こうにオフリド湖が見える。
  
すぐ下には石造りの小さな教会、急な坂はさらに上へ伸びて、いかにもオフリドの旧市街らしい。

 ホテルに着いたのが夕方5時、一息入れているうちに日が暮れてきた。
 そこで夕食を探しに行こうと暗くなった町へ。
 
石畳の続く街にはトルコ式に上へ行くにしたがって張り出す建物が並んで、それを模した街灯はどこか日本の提灯っぽい。

 ホテルから遠くない所に伝統料理をうたうレストランがあったので本日はここ。
 
アルバニアで出される無料のパンは普通の食パン型が多かったが、ホームメードというここのパンはアツアツ、ムッチリですごくおいしい。
 
ピーマンの肉詰めだけではちょっと物足りなかったのでバクラヴァを頼むと3つも来てしまったが、これもおいしく完食。支払いはユーロでOK、21€。

食後に湖畔に出てみると、広場にはカフェがいくつもあって外でくつろぐ観光客がいっぱい。
 
しかしベラトのようにやかましいこともなく、にぎやかだけれど落ち着いた感じ。
が、湖から吹いてくる風は冷たくて寒い。
 早くホテルに帰ろう。


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「ネネ」&「Dog Days」

2024-11-20 13:01:31 | 機内食・映画・美術展

一本映画を見に行くと予告編につられてまた映画館に足を運ぶことになる。
先日の「リトル・ダンサー」からバレエつながりの映画を見に行ってしまった。

 「ネネ-エトワールに憧れて」

今回はフランス映画。パリのオペラ座バレエ学校に黒人で労働者階級の女の子が入学して苦労する、というお話。
いかにもなストーリーで、まあ予想通りの展開ではあるのだが、今回は正直大外れ。

まずダメなのが主役の女の子。実際にバレエをやっているのだろう体の動きを見せ、ヒップホップなどに合わせて即興で踊る場面はいいのだが、肝心のバレエのシーンとなると圧倒的にうまくて主席で入学したという設定なのに同級生たちの方がうまく見える。
クラシックバレエの世界では有色人種は不利とわかっている、それでもなぜクラシックを踊りたいのか、その動機も熱意も伝わらない。
さらに先生を差し置いて同級生に技術的な「アドバイス」までしてしまう。これではいくら自己主張の強いフランスでも出自や人種に関係なく嫌われるのは当たり前だろう。

バレエ学校の校長は黒人であるネネの入学に反対する。それには実は理由があって、本人が自らの出自を隠していたからなのだが、これも相当に無理があって、そこから改心することになる事件もあまりにも唐突。

結局この映画の主題はフランスにおける移民の苦労らしく、監督ラムジ・ベン・スリマンの名前からもおそらくアラブ系なのだろう。
その主題はいいが、バレエに対する思い入れがまったく感じられないのが一番の問題点。わざわざオペラ座バレエ学校を舞台にしながら、バレエの魅力がまったく描かれていない。

久しぶりにダメダメな映画にお金を払ってしまった。


と、これ1本だったら本当に無駄足になる所だったが、幸いにして続けてもう一本、同じ恵比寿ガーデンシネマで見ることにしていた。

 「Dog Days 君といつまでも」

こちらは韓国映画。ある動物病院を中心に、そこに縁のある犬とその飼い主たち数組の話が同時並行で描かれていく、これもよくあると言えばよくあるわかりやすい設定。

面白かったのは主役であるユ・へジンという男優さん。この人、いかにもヤクザ役などの似合う御面相なのだが、ずいぶん前に「ラッキー」という映画で殺し屋役をやった時、女性たちが「男前だわ」という場面があってびっくりした。今回は人相が悪いからと大切なクライアントへのプレゼンからはずされる設定になっていて、やっぱり韓国でもそうよね、とほっとした(笑)次第。が、もちろん顔は悪いが純情ないい人の役。うまいのは言うまでもない。

韓国の役者さんたちは老若男女みなさんうまく、小型から大型まで登場する犬たちも芸達者。
飛行機の中で見ればちょうどいいぐらいの小品だが、気持ちよく見られてお口直し。

恵比寿ガーデンプレイスの中庭には季節柄のクリスマスツリーの他に巨大なバカラのシャンデリアが出現。
  
そこで写真を撮っていたのはさすが恵比寿、ペットシッターさんたちだった。


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アルバニア周遊 17 ベラト

2024-11-18 15:41:18 | ヨーロッパ

9月26日

ホテルのベランダから見る朝のベラト。
 
ホテルは旧市街の端にあるので新市街側も見える。

1階にあるレストランはテラスもあってなかなかいい雰囲気。
 
朝食のセットメニューはパンにシリアル、クレープにフルーツ、さらにオムレツまで来てすごいボリューム。

朝食を済ませたら朝のベラト散策へ。
 
ホテルのある路地から出るとオスマントルコ時代のパシャの宮殿の一部が残っていて、角を曲がると小さなモスク。独身者の寄進によるモスクとか。
 その先にあるのが昨晩はやかましかったマンガレム地区だが、朝の光で見ると白い壁でおとなしく見える(笑)。

 
まずは対岸から歩こうと、2002年に作られたという割にはグラグラする橋を渡ってゴリカ地区へ。

こちら側は山の影でまだ日が差さず、石壁に囲まれた石畳の町は歩く人も少なくてとても静か。
   
  
  
ホテルになっているお屋敷があったり、窓から猫が顔を出していたり、朝の散歩にぴったり。

地図に教会があったので行ってみる。ゴリカ地区の上の方にある聖スピリドン教会。
  
 
扉が閉まっていたので中を覗いただけだが、正面のアーチがいい雰囲気。

坂を降りたら石橋を渡ってマンガレム地区へ。
  
 
目の前にそびえる岩山のてっぺんに城壁が見え、岩壁の途中にはどうやって行くのか、教会も見える。

マンガレム地区の家並みの中に入って行くと、こちらの方が坂は急で家々の間の道も狭い。
  
中には両腕をいっぱいに開けないような通路もあって、この中をフラフラ歩くのは楽しい。

見晴らしのいい所へ出れば新市街方面も一望できる。

2時間ほど旧市街の散歩を楽しんで10時半にホテルをチェックアウト、ガイド氏の車で山の上の城塞へ。
 この城塞は紀元前2300年前から存在しているそうで、全長1キロ以上あるという城壁内はいくつもの教会やモスク、人家もいまだに100軒以上あるという一つの町になっている。

城壁内に車を停めて、まず向かったのは18世紀に作られた聖ニコラス聖堂。
  
外からはそれほど大きく見えないが、中は立派で正面のイコノスタシスも見事。
  
この裏に回った所にはフレスコ画も残っている。
 

さらに聖堂の奥はオヌフリ美術館になっていて、見事なイコンがいっぱい。
  
  
オヌフリとはアルバニア一の名人と言われる16世紀のイコン画家で、一番右がその作品の一枚だが、鮮やかな赤色は彼以外には出せないのだそうだ。

人家やカフェなどある道を通って次に入ったのは16世紀の聖ニコラス教会。
  
 
ここは壁両面がフレスコ画でびっしり。

大きな頭(誰だか忘れてしまった)の上に建つのは城壁内に残る中で一番古い13世紀の教会。
 
こちらのフレスコ画はオヌフリの息子によるものとか。

 ガイド氏が一番好きだと言うのは14世紀の聖三位教会。
   
 こちらにはビザンツ様式のフレスコが残る。

 この教会の上からの景色もみごとだけれど、さらにその先の展望テラスに上がると
 
下を流れるオスム川の対岸、ゴリカ地区の家々を上から見下ろせ
 新市街の先まで見える。

昨晩着いた時にはちょっとがっかりしたベラトだけれど、昼間歩いてみるとしっとりと静かで、城塞内の教会も素敵だった。
印象が悪いままで終わらなくてよかった!


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アルバニア周遊 16 ペルメット温泉と夜のベラト

2024-11-16 16:46:13 | ヨーロッパ

9月25日 続き

昼食を終えたらテペレーナの近くの橋で川を渡り東へ向かう。
 
道の両側に山が迫り、いい景色だ。

 
川に沿ってしばらく行くと対岸にペルメットの街が見えるが、これを過ぎてさらに脇道に入って行く。

昼食を摂ってから2時間、川岸を浚渫しているような所に来るとたくさんの車が停まっていて、
 
その先のかっこいい石橋付近には水着姿の人がたくさん見える。

  
  
橋に上がってみればすぐ下には小さな浴槽、少し先には大きな浴槽が見えて、これぞ目指していたパルミット温泉。
ガイド氏も家族とよく来ると言う通り、思っていた以上に人気があるようだ。

周りには小屋の一つもなく、皆さん岩陰などで着替えているが、こちらは服の下に水着を着てきたので早速大きな浴槽の方へ。
 
水色の湯はにごって底が見えないが1mほどあるだろうか。駐車場に降りた時にはわずかに硫黄の匂いがしたが、入ってみると匂いはあまり感じず、持参したラッコちゃんによると水温は29℃。温泉というより温水プール。

この大きな浴槽は一番人気で人が多いが、そのためか底はヌルヌル、濁りも温泉成分のためというよりお湯がなまっている感じであまり気持ち良くない。
そこで川のそばの小さくて浅い所に入ってみると
 
細かい砂の間からぬるいお湯が湧き出しているのがわかる。が、ここはあまりにも浅くて
 結局橋のたもとの浴槽が一番気持ちよく、ここに落ち着いたが、こちらも水温は29℃で日本人的には物足りない。
 川の上流はLengorica渓谷といってハイキングができる様子。
ここは暑い時に来て一日のんびりする所だろう。
ということで我々は1時間で切り上げたが、周りにはアルバニア人だけではなく外国人もたくさん来ているようで、こんな辺鄙な所なのに、とまた驚いた。

来た道を戻るとガイド氏はぺルメットの町の中心に車を入れてくれた。
  
 
この町のことは全く知らなかったが、ここから東へ向かう道の景色がとてもいいそうで、実際大型バスでドイツ人のツアーも来ていた。ジャムが特産だそうだが、残念ながらお店は既に閉店。
 
川のほとりには大きな岩のそそり立つぺルメットは花の町として現在売り出し中とのこと。

この近所に住むガイド氏はもっとこの町を案内したかったようだが、遅くなるので出発。
針路を北にとり、3時間でもう暗くなったベラトの町に到着した。
ベラトは斜面に家々が立ち並ぶ千の窓の町として世界遺産になっているが、到着してみると普通のアパートなどがたくさんある新市街がずっと広がっている大きな町で、静かな村を想像していたこちらはまたまたびっくり。
今日はなにかと予想外が続く日だ。

それでも宿は旧市街にあるいい雰囲気の建物。
 
最上階の大きな部屋にベッドをもう一つ入れてもらった。

とりあえず夕食を摂りに行こうと外へ。
 するとなるほど斜面に家が並んでいるが、音楽がガンガン鳴ってやかましい。

そこで少し脇道に入ってみるといかにも家族経営らしいアルバニア料理のレストランがあったのでそちらへ。
 
Pispiliはほうれん草がいっぱい入った卵焼き。イランでハーブがいっぱい入った卵焼きを食べた、それに似ている。
Qofte Shtepieは素朴なハンバーグ。いかにも家庭料理と言う感じ。

食後は川沿いを散歩してみる。
ベラトの旧市街は中央を川が流れていて、対岸のゴリカ地区を見ながら趣のある石橋を渡り
 
 
にぎやかなマンガレム地区を見ながらこちらは趣きのない電飾の橋を渡って戻ってきた。

マンガレム地区の斜面にも少し入ってみると
 
ここが騒音の元だったか、大音量のライブをやっているバーがあった。

ここもまた想像と違ったけれど、明日改めて町を散歩してみよう。


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アルバニア周遊 15 もう一つのブルーアイ

2024-11-15 16:44:46 | ヨーロッパ

9月25日

今日もテラスでおしゃれな朝食をいただき、
 
チェックアウトをすると宿のオーナーがお土産として自家製のオリーブオイルをくれた。
 この宿、部屋もロケーションも良く、無料で洗濯もしてくれて言うことなし。最初の晩のレストランのおすすめだけが残念だった(笑)。

今日は昨日とは打って変わって朝からの晴天。
ヒマラを出て少し行った高台でガイド氏が車を停めてくれた。

とてもきれいなビーチのある湾だけれど、よく見ると右手にトンネルがある。
 共産党時代、ここは潜水艦の秘密基地だったのだとか。
何隻の潜水艦を持っていたのか、現在はもちろん一隻もない。

そのまた少し先にはわずかの砂洲でつながった島があって、高い所に城というか要塞が見える。
 
19世紀の初めにこのエリアを支配していたアリ・パシャが作った城とのこと。

一昨日来た道をサランダに向かって戻って行くが、アップダウンを繰り返しながらカーブを曲がるたびに山の上には古くからの集落が見え
 
 
眼下には良さげなビーチがいくつも現れる。
 いきなり羊の群れに囲まれることもある楽しい道だ。

サランダを過ぎたら内陸に入り、出発から1時間半ほどで最初の目的地、ブルーアイに到着。
北のテスにもブルーアイがあったが、元々はこのサランダ近郊のブルーアイの方が有名。
田舎道をしばらく行った所にあり、周りには何もない、とネットで見ていたが来てみてびっくり。
 
広い駐車場には車がびっしり、大きな観光バスもいるし、入場料0.5レクが必要になって入り口には列ができているではないか。

入場ゲートを入るとすぐに大きな池にかかる橋を渡る。
 
ここからブルーアイまでは2kmあるが
 
歩きたくない人には真っ赤な汽車が走っているし、電動バイクのレンタルもある。道は完全に整備されて、少しののぼりだが誰でも歩ける。

やがて小川を渡る小さな橋が現れて、さすがにここには「ブルーアイまで30m」とわかりやすい看板。
 
と、きれいに澄んだ水の池があって、大勢の人が群がるテラスに上がって覗き込むと
  
 真っ青な水が底から湧き上がってきているのがよくわかる。
この水の湧き口はとても深くて、潜水調査をしてもよくわからないとか。
陽の光が差したブルーアイは本当にうっとりするような色で、人の多さには驚いたが、やっぱりこちらにも来て良かった。

ここを出たらジロカストラの町を通り過ぎ、先日蜂蜜を買った所でランチ休憩。
 
建物の下を湧き水が流れるレストランのテラス席に座るとその脇を水が流れていて涼しくてきれい。
  
メニューはガイド氏おすすめの子牛肉のシチュー。優しい味でとてもおいしく、パンは無料で付いてくるがガイド氏は必ずピラフとそれにかけるヨーグルトも頼む。ガイド氏、なかなかのグルメらしく、昼食場所は安くておいしい所を選んでくれる。ここは3人で1400レク(約2250円)、普通の食事はこんな値段らしい。
 店の前には蜂蜜と大量のハーブが売られていた。


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アルバニア周遊 14 ヒマラの一日

2024-11-14 15:00:37 | ヨーロッパ

9月24日

朝、テラスから外を見ると日が上がってくるのが見える。
 
残念ながら雲が多い天気だが、今日は一日この海辺でフリーなので、テラスでゆっくり朝ごはん。
 朝食はホテル代に含まれていて、メニューにあるものは選び放題とのこと。
 
そこで自分はTiganopsomaなるものを選んでみると、これは甘くない揚げパン。クリームチーズと蜂蜜やジャムを付けて食べるとおいし~。友人の選んだパンケーキもフルーツたっぷりでおいしかったそう。

朝食後の散歩にまずはホテルの裏の崖を上がってみる。
 ここにあるバーは若い子たちに人気のようで、昨夜も音楽が聞こえていた。

 海岸線からは上がった山の上の方に古くからの町があるようなので、そこまで行く近道はないかと探してみる。

脇道に入ってみると小さなバンカーがいくつもあって、こんな所にまで作ったのかとあきれてしまう。
 
ホステルの屋根の上には日の丸が上がっていて、夕方ビーチ近くで日本人らしき男の子を見かけたのはここに泊まっていたのだろう。今回の旅で見かけた日本人第一号。

脇道は行き止まりになってしまうので大通りに戻って少し行くと気になるお店発見。
 
自家製のジャムやシロップなどをおばちゃん二人が売っているが、次々に試食をさせてくれるので
 友人が蜂蜜漬けイチジクをお買い上げ。

さらに先まで行ってみるが、上の町までは大変そうだし、雨も落ちてきたのであきらめた。
そのうちに軽い雨は上がったので、今度はビーチを先まで行ってみることにした。

 
泊まっているホテルからずっとビーチが続いているが、陽が差さないので砂浜に出ている人は少ない。
 
海の水はとてもきれいだが、観光用のボートも今日はお休みのようで客引きもしていない。
 
ビーチにあるバーなどももうシーズン終わりで撤収作業中。キティちゃんもなにやら寂しい姿。

 湾の反対側までたどり着いてホテルの方を振り返る。

ここまで来るととても静かだ。

 山羊や羊がほっつき歩くのどかな道を戻り
 
途中のカフェで風に吹かれながら一休みしているとやっと少し日が差してきた。

この後はホテルに戻って部屋でうだうだ。

夕方砂浜に出ると夕焼けが見えた。

夕食は昨夜、観光客向けのプロムナードで失敗したので、一本裏の店で良さげな所に入ってみた。
  
 すると珍しいことにこんなちょっとした突き出しが出て
  
Gilt-head bream (ヨーロッパヘダイ)の塩焼きもサラダもとてもおいしくて
 食後は謎のリキュールというかシロップまでサービスされた。
これでお代はなんと昨晩の半額。知らない町でのレストラン選びはギャンブルのようだ。


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アルバニア周遊 13 ジロカストラ~ヒマラ

2024-11-10 14:46:52 | ヨーロッパ

9月23日 続き

本日の宿泊はイオニア海沿いにあるヒマラと言う町。
ジロカストラのほぼ真西にあるが、間に山脈があるのでぐるっと遠回りをしなければならない。
 
 
途中の谷間には牧草地や畑が広がり、町がある。

 やがて海辺で一番大きなサランダという町を過ぎると海が見えてきて、ここからとくねくねとした山道を上ったり下りたりしながら北上していく。
 
この海岸線は自称「アルバニアのリビエラ」、すぐ近くに見える大きな島はギリシャのコルフ島、早いフェリーなら30分で着いてしまうそうだ。

ジロカストラを出て2時間でヒマラの町に到着。
 
今夜の宿は町の端、海辺に建つ Rea Boutique Hotel。

チェックインすると出迎えてくれたのは中学生ぐらいの女の子、3階の部屋までエレベーターがなくて苦労したが、この宿はダブルの部屋しかないので今夜は一人一部屋。
  
ベランダがあり、バスルームには窓辺にバスタブ。

窓の外にはヒマラの海岸線が弧を描いていて最高だ。

到着したのが6時半、すぐに暗くなったので宿の主人にお勧めを聞いて夕食へ。
海岸沿いは遊歩道になっていてレストランがずらりと並んでいる。
  
 
中の一軒、Piazzaを勧められたので迷わず入り、シーフードのミックスグリルとパスタを注文。
パスタは大きなエビが乗ってまあまあだったが、グリルはミックスと言いながらほぼイカばかり。
海辺なので期待していたのにこれにはがっかり。しかもこの2皿でティラナのおしゃれレストランより高いとは納得いかない。宿の主人の信頼度は地に落ちた。

 食後は散歩でプロムナードを端まで。
 
そこから1本中に入るとスーパーや雑貨屋など、ごく普通の商店街になっている。

 
ここでこぎれいなお菓子屋さんを発見。洋菓子やパンもあるが、バクラヴァが何種類も並んでいるので、上にブルーベリーの乗った変わり種を一ついただいてみる。するとこれが甘いバクラヴァに酸味が加わってすごくおいしい。ヒマラの印象、ちょっと改善。

 
ホテルに戻ったらヒマラの夜景を見ながら久しぶりにバスタブに浸かった。


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アルバニア周遊 12 ジロカストラ

2024-11-02 16:19:25 | ヨーロッパ

9月23日

今日から最終日まではクルヤを案内してくれたエグロン氏と一緒。
時間通りに迎えに来てくれて、細かい気づかいをしてくれるのでこの先は楽チン。

ティラナを出て少し郊外に出ると、道端に野菜や果物を売る屋台がたくさん見える。これに興味を示すと早速車を停めてくれた。
 トマトやら梨やらブドウやら、値段はほとんど何でも1キロ1レク(約160円)。
 
中に道端でたくさん見かけた柿、まだ緑色でいかにも渋そうだが、これを買ってくれたので食べてみると意外にも甘くて渋みは全くない。しかも皮が薄いので丸かじりできる。今はこの柿が旬、もっと赤くなって柔らかくなる柿も人気があるのだそうだ。

 
道はよく舗装されて快適、交通の要衝、エルバサンを過ぎて南に向かうにつれて周りに山が多くなる。

ティラナから3時間ほどでテペレーナと言う町まで来た。
 
街の中心で寝そべっているのは18世紀にこの地方で勢力のあったアリ・パシャ。ナポレオンやビクトリア女王と手を組んでオスマントルコ時代に半独立の領地を保ったので人気があるらしい。

アリ・パシャの見つめる先には川の合流点がある。

この景色を見下ろすところにガソリンスタンド併設のカフェテリアがあるので、ここでランチ。
   
 
料理は煮込み系の物が多くて、選んだのはタフコーシというアルバニア料理。羊肉をヨーグルトで煮込んだ料理で、酸っぱい味が珍しい。パンは取り放題、この一皿が550レク。

この辺りの道端では蜂蜜をたくさん売っていて、一つ買いたいというと心得たとばかりに車を停めてくれた。
 
ここには山からの湧き水が出ていて、皆さん車を停めて水を汲んでいる。この水が冷たくてとてもおいしい。
蜂蜜は一瓶500レク、アカシアの蜜だそうだ。

ここを出るとすぐに山の上に城が見えてきて、これが世界遺産のジロカストラ。
  
 
入場料400レクを払って中に入ると、石造りの回廊脇にはずらりと第二次大戦時の砲撃機や、小さな戦車などが並んでいる。

ここを抜けるとテラスに出て城の建物を外から見ることができるが、ここは共産党時代には「7つの窓」と呼ばれる政治犯の収容所だったそうで
 
4世紀以来の歴史よりもこちらの方がアルバニア人には重要らしい。

 
この先の壁の中にはオスマントルコ時代には工房や店が並んでいたらしいが、ここで見るべきはテラスからの景色。

 
 
ジロカストラは「石の町」と呼ばれるそうだが、名前の通り、屋根まで石造りの家が立ち並んでいるのが見える。

 
テラスの先の門をくぐった先には石造りの時計塔。 
 城の反対側をずっと歩いて行くと城壁の先まで行くことができて

こちらから見る家々もかわいらしい。

城からの眺めを堪能したら、上からも見えたオールドバザールへ。
   
 
石畳の道に上階の張り出したトルコ風の建物が並び、1階は土産物屋やカフェになっているけれど
 
観光客だらけでもう大変。

運転手氏とはバザールを出た所にあるお菓子屋さんで待ち合わせ。 
 
Kalimeraというこちら、有名店だそうで中には洋菓子やらトルコ風の菓子やらいっぱい。
暑いのでジェラートに転んでしまったが、お菓子も買ってみればよかった。


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