Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ホキ美術館@土気

2011-07-23 23:39:44 | 機内食・映画・美術展
2010年11月にできたばかりの「ホキ美術館」に行ってきた。

場所はJR外房線の土気。バブルの一時期話題になった「チバリーヒルズ」の近くだが、千葉市のはずれの、はっきり行って辺鄙なところ。今回は友人の車で行ったからいいものの、そうでなければ行くのはちょっと大変。

わかりづらい案内看板に迷いつつ、「昭和の森」に面した美術館にやっと到着。
 すると駐車場はいっぱい、バスでやってくる人も大勢いる。
こんなところまで皆さん熱心なこと、と感心する。

  
建物の外観は湾曲した細長い箱が2つつながった格好。
  
その一方の端は空中に浮いているのだが、「昭和の森」に面しているとは言え実は住宅地の中にある美術館、支えのない建物の向こうに建売住宅が並ぶ景色はなんだかシュールだ。


1500円也を支払って中に入ると細長い廊下の両側に絵がずらりと並んでいる。
 美術館の絵葉書から 
初めの部屋は明るいのはいいのだが、足もとにある窓からの照り返しがこの時期ではきつくて、ちょっと目が痛くなってしまったのは残念。

美術館はこの廊下をずっと道なりにたどればすべての展示室に迷うことなく行きつける作り。最初の部屋を除いてはほとんど外光は入らない部屋だが、照明にも気が使われていて全体にとても見やすい。

そして肝心の中身だが、ここは写実絵画専門美術館。
「まるで写真のよう」というのは絵画の場合褒め言葉になるのだろうか、といぶかりつつ見学したが、実際に見てみると同じ「写実」でも作家によって個性があって、でも考えてみれば写真でさえ個性が出るのだからあたりまえだということにやっと気付く。

題材は風景画、静物画、人物画と網羅しているが、自分の趣味からは風景画が一番つまらなく、静物画はまるでフランドル絵画そっくりのものが多い中、超絶技巧の五味文彦という作家の絵に引きつけられる。
 美術館HPより 
この絵、実物を目の前にするとレモンの果汁が染み出しているところまで表現されていてすごいのだ。

人物画では森本草介さんのヌードの連作。
 美術館HPより
同じモデルばかりを描いているのだが、なぜか着衣の絵はヌードほど魅力的ではない。なぜだろう。

この美術館は保木さんという医療品メーカーの社長の個人コレクションだそうだが、日本の現代作家、それも写実絵画のみをこれだけ集める、その一貫した趣味の良さがすばらしい。

辺鄙な場所なのでそう簡単には行けないが、建物も内容も一見の価値はある美術館だった。


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コメント (2)
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