文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

学生時代の愉快な仲間 (思いでシリーズ17)

2012-04-11 06:00:00 | 思い出シリーズ

 わたしが、大学に入学したころ、少年チャンピオンで、山上たつひこ氏によるギャグ漫画の名作「がきデカ」の連載が始まった。ご存知の方も多いと思うが、少年警察官と称する、少々変わった主人公が、色々とお騒がせを繰り広げる漫画である。当時、その漫画に出てくる、「死刑!」、「八丈島のきょん」といったギャグはけっこう流行ったものであった。

 ところが、この実写版ともいえるような人物がいた。大学で同じクラスになり、よく一緒に遊んでいたS君である。漫画のこまわりくんは、すぐ裸になって大暴れするが、さすがに良識のあるK大生。そういうことはもちろんやらない。私の文章力では表現がしがたいが、とにかく言動がユニークであり、そのユニークな言動のなかに、こまわりくんと同じ波長が感じられたのである。

 当然のことながら、彼は、仲間内で「こまわりくん」の愛称で呼ばれるようになった。いや、仲間だけではない。本人が直接交流のない人も、かなり広い範囲で彼のことを知っていたというから、キャンパスでは結構人気者になっていたようだ。本人も、すっかりその愛称になじんでいて、本名で呼んでも返事をしなかったが、「こまわりくん」と呼ぶと「なんだー」と振り向いたといった逸話もあったくらいである。

 一方、この名誉ある愛称?を剥奪された人間もいる。寮に住んでいて、機動隊の盾に押しつぶされたという逸話の持ち主のO君である。彼もユーモラスな人柄であり、寮の仲間内から「こまわりくん」と呼ばれていたらしい。しかし、S君を見た寮仲間たちは、やはりS君の方が「こまわり君」にふさわしいと言って、その愛称をO君から剥奪してしまったのだ。

 そのS君は、日本を代表する世界的な最先端企業で活躍している。

※ 本記事は、2006年03月20日付で「時空の流離人」に掲載したものに加筆修正を加えたものです。


○関連過去記事
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