文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:甲種ガス主任技術者試験模擬問題集

2013-08-18 09:23:28 | 書評:学術教養(科学・工学)
「甲種ガス主任技術者試験模擬問題集」:上井光裕

 私は、生涯100資格試験合格を目標にしているが、現在92個と、目標達成まで、あと少しというところに来ている。その記録は、ここを見て欲しいが、最近少しテンポが落ちている。というのは、数稼ぎで、有象無象の検定試験を受けまくるということはやっておらず、国家試験を中心に、検定試験なども、社会的に一応の評価があるものを選んで受験しているからだ。レベルが分かれているものは、専門に関係ある資格は一番上を、それ以外は上から2番目を基本に受験しているため、多少の例外はあるが、4級の資格や趣味や習い事の資格が沢山並ぶ資格マニアとは一線を画しているつもりである。

 この頃では、さすがに受験できる資格の選択肢も少なくなり、それが足踏みの一因ともなっているので、前から少し気になっていた、ガス主任技術者試験について調べるために買ったのが本書である。なにしろマイナーな試験のせいか、電気主任技術者試験と異なり、殆どテキストや参考書がないので選択の余地がない。

 中身を見て感じたのは、期待外れだったということ。ガス主任技術者試験は、法令、基礎、ガス技術、論述の4つに分けて行われるようだが、最初の3つは、本書を見る限り択一方式のようである。これは、問題が前のページの下半分に記載され、次のページの上半分に解答が記載されているという構成になっている。

 一応甲種というのは、ガス主任技術者で一番上の資格だ。といっても、内容は、本書を見る限りでは、電気主任技術者試験で言えば3種レベルのようである。私がこの手の問題集に一番期待するのは、解説が詳しいということだ。ところが、残念なことに、非常に簡素な解説しか掲載されておらず、詳しくはテキストを見なさいというようになっている。本書の最初の方には、学習の準備として、日本ガス協会の「都市ガス工業概論」(全5冊)を買おうと書いてあるが、その問題に関しては、ページの許す限りできるだけ詳しく記載するというのが親切というものだろう。本書を眺めていると、空白が多く、スカスカの印象を受けてしまう。解説をもっと充実するか、もっと多くの問題を掲載するかが望まれる。

 また、論述試験については、法令関係に関して6問ほどブロック図で示してあるだけで、ガス技術に関する出題は、傾向を絞り込むのが難しいという理由から、全く示されていない。しかし、いくつか例を示して、ここがポイントだというような解説があってもよかったと思う。価格に関して言えば、消費税抜きの本体価格が2400円である。少しコストパフォーマンスが悪そうな気がする。

※本記事は、管理人の別ブログ「本の宇宙」に掲載したものの写しです

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