文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:「意識の量」を増やせ!

2014-06-06 20:12:24 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
「意識の量」を増やせ! (光文社新書)
クリエーター情報なし
光文社


 三色ボールペンでおなじみの斎藤孝氏の「「意識の量」を増やせ!」(光文社新書)。

 このタイトルはよく分からない。著者のいう「意識の量」というのはいったいなんなのだろう。「量」というからには、計量できるはずだ。そうでないと、「量」について議論してもまったく意味がない。しかしどうやって、その「量」を計測するのだか、そして、意識の「単位」はなにを使うのだろう。計量できないとすれば、「増やせ」と言われても、実際に増えたかをどのような基準で把握するのか。

 こんな疑問を持ちながら読んでみると、もちろん「意識の量」の計量法なんてものは書かれていない。書かれているのは、結局回りや相手に気配り、目配りをしろとか、目的を明確にしろとか、集中力を高めろといった、極めて常識的なことである。「意識増量」のための訓練法など、計量の問題を別にすれば参考にならないこともない。しかし、わざわざ、「意識の量」という言葉を使う必要があるとも思えないのだが。なにか「差異化」を図りたいという気持ちからなのだろうか。

 うまくいかない原因を、「意識不足」という、あいまいなものに帰するのは、よく製造現場などで使われいる「なぜなぜ分析」を行う場合などでは避けなければならない。分析があいまいになると、有効な対策が出てこなくなるからだ。

☆☆

※本記事は、姉妹ブログと同時掲載です。
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