文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:スーパー速書きメソッド

2014-06-15 10:01:45 | 書評:ビジネス
スーパー速書きメソッド (マイナビ新書)
クリエーター情報なし
マイナビ


 ビジネスの場においては、文書を作成する機会が多い。各種報告書だったり、日報、週報だったり、依頼文、通知文だったりと、その種類も様々だ。しかし、その多くは比較的定型的なものであり、やり方次第で大幅な効率化を図ることができる。そのビジネス文書を、ささっと簡単に作るためのノウハウを纏めたのが、この「スーパー速書きメソッド」(石田章洋:マイナビ新書)である。

 ところで、何かの文書を書いていれば、それだけで仕事をしているような気になっていないだろうか。文書作成は仕事の一部ではあるが、あくまでメインの仕事を行うための周辺的な業務である。帯に、「書類は4分以上かけて作るな!」と書かれているが、その通りで、ビジネス文書などちゃちゃっと仕上げてしまって、本筋の仕事のアイディアを考えたり、情報を収集したり、クライアントと会見したりする方が、よほど仕事の成果はあがるのではないだろうか。

 ビジネス文書は文学作品ではない。要は伝えたいことが、相手に正確に伝われば良いのだ。そして、多くのビジネス文書というのは、極めて定型的なものである。だからやり方を工夫すれば、極めて簡単に作れてしまうのだ。本書はそのためのテクニックとして、ひとつひとつの文の作り方、これをくみ上げて一つの文章にする方法などを極めて分かりやすく紹介している。

 また、上に書いたように、ビジネス文書には定型的なものが多い。だから既存の様式を使うことが、速書きのためには有効である。本書には、今日からでも使えそうな各種文書の様式が多く紹介されているというのもひとつの特徴だ。読者は、使えそうなものを選んで、自分自身のビジネスシーンで活用してみると良いだろう。

 著者の本職は、構成作家&プランナーであり、「世界ふしぎ発見!」などの人気番組を担当している。いわば、定型文書とは対極の位置にあるクリエイティブな領域で仕事をしている人だ。その人が、このようなビジネス文書の書き方を指南するのいうのもなかなか興味深いが、どんな仕事にも、周辺にはこのような定型的な仕事がたくさんあるので、そこをどう簡略化していくかが大切だということなのだろうと思う。

☆☆☆☆

※本記事は、姉妹ブログと同時掲載です。

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