裏から読むとおもしろい日本の歴史 | |
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青春出版社 |
・歴史の謎研究会[編]
歴史は、教科書に書かれていることが総てではないということは言うまでもない。教科書にあるのはエッセンスだけで、その後ろには書ききれないような多くの出来事があったのだ。本書には、そんな歴史の裏話、こぼれ話が満載である。
例えば、庶民は参勤交代の行列に出会ったら土下座をするというのは時代劇でよく見る光景だ。しかし遠乗りの殿様と出くわしたような場合にはそんな義務はなかったらしい。このほか、江戸庶民の戸締まりはつっかえ棒だけで大丈夫だったかとか、関所破りは本当に極刑に処せられたのかなど、なかなか興味深い話題でいっぱいだ。
もちろん、学生が本書の内容を覚えてもテストには出てこないだろう。しかし、歴史に興味を持つためのきっかけにはなると思う。また、歴史好きの社会人には、リラックスして読めるトリビア集といったところか。
ただ、歴史の定説というのは結構変わるものだ。だからここに書かれていることがすべて真実かどうかは分からない。将来全く違った説が定説になっている可能も大いにあるといったことは認識しておいた方がいいだろう。
☆☆☆
※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。