結婚指輪は経費ですか? 東京芸能会計事務所<東京芸能会計事務所> (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA / 角川書店 |
・山田真哉
楽しみながら会計の仕組みが分かる会計ミステリー「女子大生会計士の事件簿」シリーズなどでお馴染みの山田真哉氏が、同じようなテイストで、税務に関して分かりやすく解説するという「東京芸能会計事務所」シリーズの第二弾。
この「東京芸能会計事務所」は、その名の通り、芸能人専門の会計事務所だ。所長は、元トップアイドルの天王洲あいる。そして主人公を務めるのは、「芸能事務所」と間違って、この会計事務所に入ってしまった竜ヶ水隼人という青年。この2人が中心となって、税務に関する事件を解決していくというのが基本的なストーリーである。
この巻に収められているのは、馬券は経費にならないのかという「謎解きはお会計のあとで」、話題の消費税演歌アイドルユニットの秘密を解き明かす「アイドルは夜な夜なナニをする?」、アイドル占い師の蓮台寺カワナがマジックショップで買ったものの領収証がネット公開されたという「嘘つき占い師の勘定と感情」、そしてあいるの先輩永谷舞の結婚相手が聞いた「結婚指輪は経費ですか?」の4つのエピソード。
ところで、この巻には、2つ目の話に出てきた消費税演歌アイドルの歌である「増税越え」というのが載っているが、これが結構笑える。消費税のアップは歓迎できないが、こういったもので増税を笑い飛ばすことも必要だろう。
とかく税法というのはややこしく、とにかく税金を少しでも多くとってやろうという意図で作られている。我々のような素人には、付き合うのがなかなか大変な法律だが、こういった作品を読んで、楽しみながら、知識をつけていくというのもいいかもしれない。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。