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天才月澪彩葉の精神病質学(サイコパス)研究ノート (アルファポリス文庫) |
玄武 聡一郎 | |
アルファポリス |
〇〇学ミステリーと本書を位置付けるなら心理学ミステリーと言っていいだろう。ヒロインは表題の通り月澪彩葉という、木之瀬准教授の研究室の修士2年で、サイコパスの研究をしている。彼女はサイコパスの気持ちが理解できてしまうので、自分が理解できないサイコパスに出会いたいと思っている。ちなみに、ものすごい美女で、そこら辺の男より強いと言う設定だ。性格も男前(笑)。
そしてこれに絡んでくるのが同じ大学の学生・北條正人。人の本質や感情を見ることができる共感覚の持ち主である。
そして、起こる三つの異常な殺人事件。体の一部を切り取ったり、顔をすりつぶしたり。果たしてこれが月澪の理解できないサイコパスなのか?
驚くようなオチに読者は驚くに違いない。そして読者をミスリードさせるような書きぶりと、見事な卓袱台返し。この巻の評判が良かったのだろう。2巻も出ており、これが彩葉と正人の出会いの物語になっている。
☆☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。