主人公は、伊達直人という青年。孤児院「ちびっこハウス」で育った彼は「虎の穴」という組織に入り、悪役レスラータイガーマスクとして名を馳せる。しかし、「ちびっこハウス」の経営が行き詰っており、その借金を返すために、「虎の穴本部」に収める金まで、「ちびっこハウス」に寄付してしまう。そんな伊達を「虎の穴本部」は裏切り者として、タイガーマスクを殺せと、次々に悪役レスラーを送り込む。
まだ、プロレスが今よりずっと人気があった時代の物語だ。馬場と猪木が同じ団体だった頃である。時代は、力道山の没後という設定のようだ。今だったら、団体も多く分かれ、単なる脳筋集団のショーとみている人もいるだろうが、当時は多くの人々は、プロレスに対して夢を見ていたのだ。
タイガーマスクは、ある年代以上の者には今でもヒーローなのだろう。主人公の名を借りて、ランドセルを寄付したというニュースはまだまだ記憶に新しいし、プロレスの世界においても、代は変わりながらも、その名を継いでいるレスラーがいる。
絵柄が昭和だ。今の基準では絵柄は古いと思う人も多いと思う。しかし、昔の漫画は大体こんな感じだったと懐かしさも感じる。また出てくるタイガーマスクの試合を映しているテレビが懐かしのブラウン管テレビというのも昭和感を盛り上げているのだ。既に作者も原作者も既に鬼籍に入っているが。
ひとつツッコミたいのは、「ちびっこハウス」に金を貸しているヤクザの親分の言い分。法外な利息をつけて、法律上の問題はないとうそぶいている。借りていた期間は3年半らしい。たしかに昔はグレー金利があり、出資法の上限金利は当時は29.2%だった。これでいくと、確かに3年半あれば金額は倍以上となる。しかし利息制限法では、上限金利は15%~20%である。胸をはって合法だと言えるようなものではないと思う。なお今は、出資法でも上限金利は15%~20%となり、グレー金利は撤廃されている。
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