![]() | 長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい |
クリエーター情報なし | |
サンマーク出版 |
背伸びを、日常生活の中に組み入れれば、健康維持に大いに役立つという、「長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい」(仲野孝明:サンマーク出版)。著者は、三重県四日市市で開業している整体院の4代目だ。
本書で重要視されているのは、「正しい姿勢」である。姿勢が悪くなれば、背骨や内臓などに歪が生じ、それが様々な症状となって表れるのだ。だから、本書では、「正しい姿勢」の重要性が、繰り返し強調されている。そして、その「正しい姿勢」を手に入れるための手段が「背伸び」という訳だ。そして、本書では、3通りの背伸びについて紹介されている。すなわち
①手を上げない、かんたん背伸び
②腕を伸ばす、しっかり背伸び
③座りながら背伸び
この3つの背伸びをを、時と場合に応じて、やっていけば良いというのだから簡単だ。「さあっ、やるぞ!」なんて気負う必要は全くない。これなら、仕事をしていても、ちょっとした気分転換替わりにできるだろう。なにより、、お金が1銭もかからないというのが最大の魅力だ。
本書に述べているように、姿勢が悪ければ、体が歪み、それに伴って様々な症状が現れるということには納得できる。ただ、免疫反応であるアレルギーや、発達障がいの一種であるADHDのようなものまで、間違った姿勢が引き起こす症状に含めているというのは、少し疑問だ。
しかし、ストレッチが体にいいということを書いた本は、世の中に沢山出回っているし、デスクワークの人は、時々休憩して、体を伸ばしなさいと指導されるのが常だ。だから、背伸びが健康維持に効果的だということは、まず間違いのないところだと思う。この方法を取り入れたとしても、少なくとも損をすることはないと思うので、生活習慣の中に組み込んでみてはどうだろうか。
最後に、本書には、図がまったくないのが残念だ。言葉で書くだけでなく、実際にイラストや写真を使って示せば、もっと分かりやすくなるのではないだろうか。3種類の背伸び法はもとより、背伸びのコツとされている、「耳の後ろを上に引き上げてるように意識する」といったことなども、言葉で書かれると、なんとなく分かったような分からないような感じなのであるが、図示されれば一目瞭然だろう。
※本記事は、書評専門の拙ブログ、「風竜胆の書評」に掲載したものです。