この作品は異世界ものでよくある追放ものだ。この手のものは、強欲なリーダーにより主人公は追放される。でも主人公は特異な能力を持っており、この恩恵を失った彼を追放した連中はどんどん落ちぶれていく。要するに1種の「ざまあもの」でもあるのだ。
主人公はフィルドという少年。彼は、ポイントギフターという能力を持っていた。これはパーティにいるだけで経験値が倍以上に膨らみ、増加させた経験値は本人の好きなように分配できるというもの。
誰もがうらやむような能力だが、彼が属していたギルドが悪かった。「栄光の光」という超ブラックギルド(この作品ではギルドとは、冒険者ギルドや傭兵ギルドといった大きな組織ではなく、他の作品で言うクランに近いもののようだ。)その構成員はフィルドのおかげで強くなったことを認識せず、もう十分強くなったからフィルドはいらないといって、彼を追放する。
ところが、フィルドは貸したポイントを引きはがし、どんどんレベルアップしていく。そうポイントギフターは、経験値を与えるギフターではなく、経験値を貸すレンダーだったのだ。一方「栄光の光」の方はどんどん落ちぶれていくのだ。
ここからいくつか教訓が得られると思う。まずその力は本当に自分の力で手に入れたのかそれとも他人の協力があったのものかをよく考えてみる必要がある。他人の協力が必要なら、もしその人がいなくなったらと考えておかなくてはいけない。これがリスク管理と言うものだ。次に他の人の能力を十分に理解しておく必要があるということだ。「栄光の光」の連中はポイントギフターという能力を十分に理解していなかった。もし理解していればもっとギルド内で優遇していたし、間違っても追放したりはしない。
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