事故物件に住んでみた! | |
クリエーター情報なし | |
彩図社 |
・森史之助
あなたは、「事故物件」というのをご存知だろうか。何かの原因で先住者がお亡くなりになった住宅物件のことだ。「心理的瑕疵物件」とも呼ばれる。これが自然死ならまだしも、自殺や殺人事件のあったところなら、なかなか次の借り手がつかないという。だから家賃は相場より安くなる。
独立行政法人都市再生機構(UR)の案件では半額が2年(最近は1年に変更)、民間だと相場の7~8割位らしい。思ったよりは高い。元々関東地区は相場が高いので、事故物件でこれかという気もしないではないのだが。
私に言わせれば、空室で遊ばせておくより、固定資産税や修繕費が賄えるくらいの金額で貸し出せばよいと思うのだが、貸し出す方も、なんとも欲深いこである。
それはさておき、著者が事故物件に入居したのも、前の住居を出ていかなくてはならなかったため、家賃の安いところを探したからのようだ。著者の先住者は風呂場で自殺したらしい。時々夢に出てきたというから、無意識に気にしてはいたんだろうが、事故物件の居住体験を本にするとは、まさにライターの鏡である。
もっとも著者は、交通違反の罰金が払えなくって50日ほど服役(日当5000円らしい)して、その経験を逞しくも本にしてしまうような人だ。もちろん事故物件に住んでみたら、その経験をもとに一冊の本にするのは当然。
皆さんも、都会で住居費を安く抑えようと思ったら、事故物件を探してはいかが?最も、何があっても自己責任で(笑)。特に視える人には辛いかも。
☆☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。