最近のマイブームは、新谷かおるさんである。ただ残念なことに、2017年にこのシリーズの最終回を脱稿した後、66歳の誕生日を契機に休筆されている。お歳を考えると、新作はあまり期待しない方がいいだろう。
さて、クリスティは正式にはクリスティ・クリスタル・マーガレット・ホープといい、ホープ公爵家の令嬢である。おまけにヴィクトリア女王の孫で、なんとシャーロック・ホームズの姪という設定だ。ホームズとの関係は、クリステイの母親がホームズの妹なのである。
この2巻は、華やかなパーティの場面から始まる。このパーティでクリスティは気分が悪くなる。その原因は当時のレディ御用達のコルセット。普段20インチをつけているが、この時は18インチをつけていたのだ。いつも締めるのを頼んでいるメイド長のノーラではなく、怪力娘のグラディスに頼んだらしい。その時
「骨がミシッといったけどスルッと2インチ縮んだのよ」(p11)
ということらしい。いや、その時点で止めろよと思うのだが、クリスティもお年頃の女子。自分を綺麗に見せたいという誘惑には勝てなかったようだ。他の侍女たちに
「ゴリラにまかせちゃ命とりですよ」(p11)
と突っ込まれているのも面白い。
この巻で、クリスティが挑むのは祖母のヴィクトリア女王暗殺事件。ホームズの宿敵とも言えるモリアーティ教授も登場するが、ほぼクリスティの協力者として行動する。モリアーティ教授は、この作品では完全な悪人とも言えず、さりとて善人とも言えない立ち位置である。
さて、クリスティは、どのように暗殺計画を阻止するのか。
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