この世界では、ダンジョンに挑む者は、女王からスキルをもらう。ラーナ・プラータ(愛称ラーくん)の貰ったスキルはなんと「呼吸」。要するに息を吸ったり吐いたりできるものというもの。外れスキルと思われていたこのスキルだが、実は呼吸をするとレベルアップするという最強スキル。そう、この作品は、「外れスキル」と思っていたものが実は、ものすごく強力なスキルだったという、なろう系異世界ものによくあるパターンを踏襲したものだ。なぜ、女王にそんな力があるのかは謎だ。
ラーナがダンジョンに潜るのには理由がある。妹のメアリーが北の魔女の呪いを受けて、それを救うためにはダンジョンの最下層にあるという「賢者の種」が必要なのである。
異世界ものによくあるようにこの世界にもギルドがある。ただし、冒険者ギルドではなくダンジョンギルドだが。ラーナは幼馴染で魔導師のプリネと一緒にダンジョン攻略を目指す。このプリネ、どうみてもラーナのことを異性として好きなのに、肝心のラーナは、妹のようなものとして見ている。つまり、勘違いのラブコメ要素も入っているということだ。
しかし、外れスキルが「呼吸」という設定は面白い。知らないうちにレベルアップしているのだから。ただ1呼吸1レベルアップという訳にはいかないようで、やはりレベルを一つ上げるためには、何呼吸かする必要があるようである。
この1巻では、ならず者や初心者狩りの連中を退治したり、ハーフエルフの鍛冶師と出会ったり、変な舎弟ができたりというものだが、次巻ではいよいよ初心者の壁と言われる5層に挑戦である。さて、どんな強敵がでてくるのだろう。
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