男の娘漫画の嚆矢ともいえるこの作品。1981年から1983年にかけて少年ジャンプに連載されていたが、当時の編集部といろいろあったようで、最終話が未完の状態(といっても最後の5頁だけでネームはできていた。ただしあくまで最後に掲載予定だった部分が完結しただけで、物語自体が完結した訳ではない。)で打ち切りになった。このコンプリートエディションでは、その5頁の部分が加筆されて完全版となっている。つまりコンプリート・エディションと銘打っているのはそういう意味なのである。
さて本作であるが、主人公は坂本耕作という高校1年生の少年。母の死をきっかけに天涯孤独になる(アル中だった父は、3年前に泥酔して田んぼに落ちて死亡)。母の春江の遺言で、母の知り合いの大空いばりの家にやっかいになることになった(実はいばりが春江に片思いをしていた)耕作だが、実は大空家は「関東大空組」というヤクザの一家だった。
この大空家の子供がつぐみ、つばめ、ひばり、すずめの美人4姉妹と思いきや実はひばりは3女ではなく長男、つまり男なのだが、学校では女子で通している。(身体測定のように男の体ではまずいときは姉のつばめが身代わりになったりしているらしい。)そして耕作とひばりは同じクラス。これは耕作とひばりの繰り広げるラブコメ(なのかな?)。
40年前の作品としては、絵柄はそう時代は感じさせないが、作中に高校生の喫煙場面や飲酒場面が描かれたりと、その部分では時代を感じさせる。しかし、二人の関係がいったいどうなっていくのか気になる作品ではある。
☆☆☆☆☆