キース・ブランドンは飛び級で王立騎士学校を飛び級で卒業した、最年少賢者。第11騎士団に配属されたが、その団長のブノア・バリエ伯爵というのが、誇るものが親の業績しかないという絵に描いたようなとんでもない無能。そいつの言う事を聞いていると、命がいくつあっても足りない。こういう無能上司というのは、企業でもよく見られるものであるが、命まで取られることは少ないにしても、配転願いを出すなり、転職するなり、早くそんな無能の下から抜け出す方法を考えた方がいいだろう。
キースも案の定ブノアと対立して、相手をぶん殴ってしまう。このため、形式上は左遷という形で騎士団を追い出され、王立騎士学校の教師として赴任することになる。形式上というのは、キースとと王子のアランは同級生で、こうなることを見越していたからである。なお、騎士団の人事は貴族たちが握っており、王家といえども自由にはならないらしい。しかし、賢者は別で、その人事は王家が握っており、厳密には騎士団長の部下ではない。おまけに第11騎士団というのは序列最下位。もし他の騎士団に移れば左遷でなく栄典になってしまう。
休止として赴任してきたキースだが、直ぐに実力を示し、最初は反発していた生徒たちも、次第にキースを慕うようになる。
この作品から読み取れることは、次のようなことだろう。
1.無能上司の下につくととんでもないことになる。
2.努力より結果。いくら努力していても死んだら元も子もない。
しかし世の中は無能上司で溢れている。そんな中で、本来の有能な教師とはなにかを考えさせてくれるような作品だろう。
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