昔は、黄斑円孔の治療法はなかったらしいが、現在では手術によって孔を塞ぐことが可能になっている。90%以上は、一度の手術で孔が塞がるらしい。その手術とは、網膜をけん引している硝子体の一部を除去し、そこにガスを封入すると言うもの。ガスの圧力で、円孔部を押さえつけ、孔を塞ぐ訳である。
眼の中を手術する訳であるから、あまり気持ちの良いものではない。手術までは不安があったが、始まってしまうと思ったよりは楽で、麻酔で感覚が無くなっているため、痛みも殆どない。時間も1時間弱だった。ただ、目の中で、術具が何かやっているシルエットが見えて、なんだか不思議な感覚だ。また、この手術の場合は、術後に高確率で発生する白内障予防のため、水晶体を取り換える白内障手術も同時に行うことが多いようだ。
むしろ辛いのは手術後だ。目の方は特に痛まなかったが、ガスで円孔部を押さえておくために、常に下向きの生活を余儀なくされる。このあたりは、網膜はく離の手術後と同じである。寝る時もうつぶせ寝。専用の枕に胸当てと、うつぶせ寝グッズはあるのだが、あまり役に立たない。首や腰が痛くなるので、肩こり用の塗り薬はかかせない。上向きができないのでテレビは観られない。ラジオもいい加減飽きてくる。あまりに退屈なので、3日目位から、下を向いがまま本を読んでいたが、片目なので、あまり負担がかからないように気をつけながら、恐る恐ると言った感じだ。
このうつ伏せもしくは下向き生活は8日間続いた。うつ伏せではどうしても眠りが浅いので、しょっちゅう目が覚めてしまう。おまけに、隣の患者の鼾がすごくて眠れない。寝不足と退屈の日々であった。
眼の中にはガスが入っているのだが、最初は視野全体に渡って大きな黒い丸のような物が見え、その向こうがうっすらと透けて見える、ガスが抜けていくにつれて、だんだんと黒い丸が小さくなってくる。これが、退院する前前日あたりになると、中心の比較的大きな黒い丸の周りに、小さな黒い丸がいくつもくっついて、うっとうしいことこの上ない。黒い丸が完全に消えたのは手術後11日目、退院の翌日である。
もう一つかなわなかったのが、手術後一定期間は、歯磨き、シャワーや洗髪などができないということ。これも、なかなかに辛いものである。
現在は、手術により、とりあえず孔は塞がったというところだ。ゆがみは、手術前よりだいぶましにはなったものの、まだ残っている。ここから徐々に回復してくっらしいが、どこまで回復するかは個人差があるらしい。しばらくは定期的に検査に通わなければならないが、このまま回復に向かって欲しいものだ。
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