曇、15度、61%
自分のために珈琲を淹れたい、急にそんなことを思いついたのは、今月の軽井沢行きからです。軽井沢で食後に頂いたミカド珈琲のストレートな美味しさに久しぶりに珈琲に目覚めました。自分のために淹れる珈琲は出来たらドリップでと思います。
主人のためには毎朝珈琲を淹れます。コーヒーメーカーにドリップペーパー、珈琲を入れてスイッチオン。このコーヒーメーカーは5代目くらいでしょうか、その前はペーパードリップでした。ドリップで淹れる珈琲が好きです。視覚的にお湯を入れて蒸らし、ゆっくりと注いで行くとムクムクと膨れるあの様子、珈琲を飲む前に既に珈琲を淹れる人は、充分にあの香りを楽しむことが出来ます。主人は保温がついたコーヒーメーカーがいいと仰るので、ならばとドリップ式の珈琲を落とす器具を探していました。ドリップ式も様々、カップに上乗せしてでも出来る漏斗状の物でいいと最初は思っていましたが、心のどっかにケメックスが引っかかっています。あの木の持ち手部分です。もうかれこれ20年以上、いつか欲しいと思っていました。
香港人が珈琲を楽しむようになったのは、ごく最近のことです。昔はホテルでもなければ美味しい珈琲を飲むことが出来ませんでした。スターバックスのおかげで街中珈琲の香りが流れます。焙煎器を持つ珈琲店も近くに何軒か出来ました。
この私、家では紅茶一辺倒です。朝の一杯、熱いミルクにモッコナのインスタント珈琲をたっぷり入れて飲む以外は、家では紅茶です。季節、気分によって紅茶の葉っぱも代えます。ところが一歩外に出ると珈琲、何故かと言えば外で美味しい紅茶、自分の好みの紅茶に出会えません。おそらく一日に一杯の自分の珈琲のために、ケメックスを買いました。
ケメックスも小さなサイズ、持ち手までガラスのタイプと選択出来ますが、昔ながらの大きいサイズを選びました。一杯分ですから小ぶりのでもよかったのですが、小ぶりなのはスタイルがよろしくありません。大きなサイズのでたった一杯を淹れることにしました。ところが、ケメックス専用のドリップペーパーが品切れでした。持ち帰り試しに家にある普通のドリップペーパーを使って淹れてみました。
珈琲は主人が碾きたてを日本から持ち帰ってくれているのですが、缶が欲しくてillyの浅いローストの珈琲を使います。 何年ぶりでしょう自分のために淹れる一杯です。普通のドリップペーパーでもたかだか一杯ですから、ペーパーが落ち込むこともありませんでした。ゴボッと膨れる珈琲の粉、コーヒーメーカーでは得られない幸せです。よく温めたカップに注ぐと深い珈琲の色にまた心が喜びます。
一日一杯の贅沢を手に入れました。