チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

クグロフ

2016年03月30日 | パン

曇り、18度、81%

 クグロフを焼く時いつも思います。パンなのかしら、お菓子なのかしら。私のクグロフは半日以上も寝かせて焼きます。イーストを使うから、やっぱりパンだわと思い直します。キルッシュ、サクランボのお酒に漬けたレーズンを入れるのが元々のクグロフだそうですが、ラム酒で作ります。お砂糖もはいります。沢山のバターも使います。もちろん卵もはいります。オーストリアではクリスマスのパンだそうです。このパン、フランスのドイツに近い街から作られ始めたのだとか、アルザス地方です。アルザスに行くと街のパン屋さん、お菓子屋さんにクグロフがコロコロ並べられているそうです。一度見てみたいものです。

 20数年前に出版されたパリのお菓子屋さんを扱った本があります。その中の1ページ、 LERCHというお店のオーナーが手に持つクグロフに恋してしまいました。このオーナとクグロフ両方に恋したのかもしれません。以来、このLERCHのレシピでクグロフを焼きます。ところが、この次のページ、 LERCH のクグロフ型が載っています。陶器のクグロフ型は火の当たりが柔らかくそれは美味しく焼けるそうです。ただの素焼きのクグロフ型はマトファー社からのもので手に入り易いのですが手描きの絵付けのクグロフ型が欲しいと思います。私が使っていたクグロフ型はアルミダイキャスト、それでも満足していました。

  永年の夢のクグロフ型が我が家にやって来ました。到着する時間を見計らって前の晩からクグロフの生地を仕込んであります。すぐには使えませんから、空焼きをします。しかも二度もします。型の準備が整ったら早速生地を入れ最後の発酵にかかります。 見事に焼き上がりました。

 家中、ラムの香り、レーズンと一緒に入れたオレンジピールの香りで一杯です。 切り分けたクグロフ、包丁を入れるとモイストな生地の柔らかさまでが手に伝わって来ます。手でちぎってお口にホイ。見た目は堅牢なクグロフですが、お口に入れるとパネトーネのような口溶けです。パリのLERCHに一度行って見たいと思っていました。残念な事に数年前お店は締められたそうです。こんなアジアの片隅にLERCHのレシピでクグロフを焼いている者がいるとはご存じないと思います。

 美味しいクグロフ、すっきりした一杯の珈琲のために焼きました。

コメント (2)
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