晴れ,27度、84%
初めてぎっくり腰になったのは、20代の初め。息子が半年になろうとしていた元旦でした。朝起きようとすると立ち上がれません。背中から腰にかけて鈍いながら重たい痛みがあります。立てないので匍匐前進です。午後には熱も出て来ました。風邪かと思います。お正月ですから主人が休みなので息子の世話を頼んで一日横になっていました。痛みが引きません。いよいよ、休日指定病院に行ったのは暗くなってからのことです。先生は見るなり、「ぎっくり腰ですよ。」と一言。「お尻に注射をします。」とおっしゃいます。背中が痛いのより、お尻に注射をされる方が尻込みします。このお尻の注射は、筋肉の弛緩剤のようです。背中の痛みは痛みとともに周りの筋肉がそれを助けようとばんばんに張っていました。「ぎっくり腰は癖になるので気を付けてください。」と帰り際に言われます。
ぎっくり腰なんて、おじいさん、おばあさんの病気かと思っていました。お注射のおかげで随分楽になりました。考えてみれば、重たくなり始めた息子を腰骨に乗せて、買い物、大掃除と年末の仕事を片付けました。きちんと抱けばいいものを、中途半端に左の腰骨にひょいとのせて動きます。随分無理な姿勢です。以来、重たいものを持ち上げる時は注意します。それでも、先生の言葉通りある時、ミシンをかけていて立ち上がろうとした途端にやって来ました。冬の寒い時でした。さて何が原因かな、若い中型犬2匹を朝に晩に散歩させていて無理がきたのかもしれません。お尻に注射されるのが嫌で、病院に行きたくなかったので整体の先生に行きました。痛みが取れたわけではありませんが、背骨の位置でぎっくり腰の最中でも痛みが薄らぐことを知りました。
3回目は、20年程前に急にやって来ました。でも、あらぎっくり腰かなという前触れがありました。起き上がるのは痛みをこらえてヨイショ。ところが、背骨の位置を気にしながらならそのまま一日過ごせます。お注射より何よりも時間が治してくれます。数日でやり過ごしました。
40代に入った時から走り始めました。仕事上風邪を引かない身体にしたかったからです。そろそろ20年走っていることになります。ある時ふと気付きました。ぎっくり腰がやって来なくなったのです。少しは丈夫になったのかもしれません。
先日、日本の家で庭の草の引っこ抜きをしました。蔦だらけでしたから、まるで綱引きでした。大きな草の山を目の前に、次の日の朝起きたとき、もしかしたらぎっくり腰がやって来るかもしれないと思いました。その晩はお風呂を長く使って休みました。朝は、腰のことを忘れていつものようにピョンと起きました。ぎっくり腰さん、やって来ませんでした。
母も義母も70代に入ってぎっくり腰を患いました。私は2人よりぎっくり腰の大先輩です。そこで、微に入り細に入り二人に痛くない歩き方、寝方を指導しました。お尻の注射だけは勘弁してもらいたい、どうかぎっくり腰さんこのまま退散してください。