晴れ、28度、86%
仕事をしていた頃は日曜日になると主人の靴も含めて全部の靴を磨きました。靴だけではありません、革のバックもベルトも磨きます。夏になると専らサンダルしか履かなくなるのに夏こそ靴磨きです。ここ香港、高温と日本以上の湿度です。革製品はうっすらと白いカビが付いてしまいます。
小学の低学年まで通った小学校は革の黒い靴を履いて通学でした。その頃から既に靴磨きが好きでした。父の大きな靴は磨き甲斐がありました。靴の甲に顔が写るくらいに磨きます。雨の翌日、自分の黒の靴の先が汚れているのが嫌で磨きます。シューキーパーなんて知りません。そんな私を見て父が新聞紙を丸めて靴に入れて置くように教えてくれました。まだ、そんなに日本が豊かでなかった昭和30年代の話です。
若くてお金が無かった頃は靴の数も少なくて、よく目が行き届きます。ところが、40代の頃この私、ゆうに50足以上の靴を持っていました。これはサンダルを除いた数です。つまりシューキーパーを50数対持っていました。ヒールの付いたもの、紐靴、ローファー、色も黒、茶、紺。50を過ぎた頃バッサリと整理しました。手元にある靴は20足程、日本の家にも数足置いています。少なくなると手入れも充分に出来ます。ヒールの靴は3足のみになりました。しかも滅多に履きません。ローファーとバレーシューズは主流です。なめし革もスウェードもハラコもみんなそれぞれの方法で磨きます。
数年前、主人がシューキーパーは要らないと言います。シューキーパーで靴が傷むというのです。シューキーパーも強さがありますから、今では主人の靴はキーパーなし、おかげで甲の部分のしわが深くなる一方です。私のキーパーは香港に来た当初ずらっと買い揃えたイギリスのものです。柔らかいバレーシューズには張りの弱いもの、かっちりした紐靴には張りの強いものと使い分けています。
磨き終わるとずらりと並べて、お顔見せ。 こうして手入れをして来たおかげで、私のローファーは一番古い物で25年履いています。ここ数年新しい靴を買っていません。よく足に馴染んだ、好きな靴を履き続けるためにキュッキュと磨きます。