雨、雷、25度、90%
昨日は一日雨でした。かなり雨脚が強く、雨が平気なモモさんもほぼ一日トイレを我慢して家にいました。こんな雨の日は、床にぺったんと座って横には本を山積みにして、「本の整理」と称して片端から本を眺めて行きます。もちろんモモさんは、私の膝の上です。
1988年に文化出版局から刊行されたイラストレーターの大橋歩さんの「うれしい編みもの」、編み物の本ですがちょっと趣向が違います。古いセーターを解いて編み直しをする本です。実際に大橋さんが着ていた古いセーターを使って、新しくリホームします。30年近く前だって、古いセーターを解いて編み直すことは、殆ど無くなって来ていた頃の本です。
編み直されるセーターの数は8点。セーターを解いたことがあればお分かりになると思いますが、ひとつのセーターを解くとどうしても毛糸の量が少なくなります。そこをこの本は新しい毛糸を足して、編み直しします。ですからここに紹介されているセーターと同じ物は決して作れません。何処そかの毛糸玉何個、何グラムで編み棒は何番とは書けないところが面白い本です。新しく編み直されたセーターやカーディガンは、ピンクハウスのスカートなどとコーディネイトされた写真が載っています。
私も日本にいた頃は、主人のセーターを解いて息子のセーターに編み直したりしていました。毛糸物の面白さは編み直し出来ることです。平たい布を切って組み合わせる裁縫と違った、毛糸一本から作る面白さです。この本が好きなのはそうした編み物の楽しさだけではありません。コーディネイトされたその組み合わせが30年経った今も私の基本の組み合わせです。色合わせ、タイツの色遣い。靴は全て、亡くなった高田喜佐さんの「KISSA」のぺたんこなシューズです。この本のコーディネイトは30年前の流行とも違います。それより以前のセーターの編み直しに合うコーディネイトです。
香港に住んでいるとセーターを着る機会が少なくなりました。当然編むことは殆どありません。最後に編んだのは母が施設に入所した6年前に部屋着にスカーレットの毛糸で編んだベストです。一色で編みましたが編み目の複雑なベストでした。あっ、3年前にモモさんに小さなベストも編みましたが、かぎ針のほんの数時間の手仕事でした。若い頃はお金がなかったので、息子のセーター、私のアウターにもなる厚手のカーディガンも編んでいました。寒さが近くなると、手が急ぎます。この日のお出かけに編んでいるセーターを着て行きたいと思うと、これまた手が急ぎます。おかげで編むのは早い手となりました。
編み物をしないのに、沢山毛糸玉のストックがあります。手元にあるだけでも編み物の本が9冊。複雑なフェアアイルの編み込みもごっつりしたアラン模様のセーターもまた編みたい着たい物のひとつです。
大橋歩さんの本、随分整理しましたがどうしても手元に残しておくつもりの一冊がこの「うれしい編みもの」です。昨日一日かかって、始末した本は2冊でした。