チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

スターフェリーに乗るつもりじゃなかったのに

2016年06月28日 | 香港

雨、雷、26度、96%

 昨日、香港島セントラルのフェリー乗り場にある海事博物館に行きました。見て置きたいものがひとつあったからです。海事博物館を出ると、ビクトリア湾からの風を感じます。ここ数日、香港は晴天真夏日です。この天気この暑さこそが香港らしさを物語っています。 海事博物館の外に停泊している帆船を見ていると、九龍サイドからカラフルなスターフェリーがやって来ました。急にそのカラフルなスターフェリーに乗りたくなりました。九龍サイドに用事はありません。たかだか片道8分、片道日本円で40円の船の旅です。

 香港島と九龍サイドの間のビクトリア湾、亡くなった作家の邱永漢がこの湾のことを書いています。冬の寒い中、ビクトリア湾に潜って海老採りをする男の話が記憶に残っています。香港に住むなんて思ってもいなかった頃読んだ本です。しばらく香港に住んだ邱永漢、風景描写に生まれの台湾ではなく香港を多く使っていると気付きます。

 このスターフェリーは観光用ではなく庶民の足です。トンネルが出来る前、もちろん地下鉄も出来る前、スターフェリーは唯一の香港島と九龍サイドを結ぶ交通手段でした。今では、観光客の方が多く乗っています。ビクトリア湾の中央にさしかかると、 西を望めばマカオに向かうターボジェットや漁船が波頭の向こうに小さく見えます。幾度西を目指してフェリーに乗ったことやら、香港を取り巻く島々が多く点在するのもこの先です。  東を望めば、海の先に一連の白いマンション群に見えるのですが、右側は古くからの香港島のマンション、左は山を切り開いて新たに作られた九龍サイドのマンションです。この東の眺めは、私がいるこの30年で大きく変わりました。海の上で振り返れば、 やっぱりきれいな香港島です。この暑いのに観覧車に乗る人の行列ができていました。九龍サイドには、 イタリア船籍のコスタビクトリアが停泊中です。アジアコースのクルーズでしょう。日本に向かうのかもしれません。

 今日は打って変わって、朝から雨模様。このスターフェリーは台風等で運行が取り止めになります。一度台風警報が出たすぐ後、運行停止前の最後のフェリーに飛び乗りました。波は荒く、雨風がありますが波除のビニールシートも外されています。シートで抵抗を大きくすると転覆する可能性があるからです。船に乗っているのに、波は上がって来ます。風も吹き荒んでいます。雨も降り込んで来ます。乗客は、船の中央に一列に立っていて、皆、傘をさしていました。もちろん私もその一人です。思い出してもワクワクするような経験でした。

 今日のようなしっとりした雨の日にスターフェリーの乗れば、雨に煙る靄の中を心静かに短い船旅を楽しむことが出来ます。

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