チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

女同士

2016年09月19日 | 日々のこと

晴れ,27度

 昨日から香港のお隣、深圳に来ています。モモさんが我が家にくる前は週一回は深圳に来ていました。もう12年以上前のことです。来る度に来る度に街は大きくなっています。大きくなんてものではありません。巨大化、底が見えない何か恐ろしさすら感じる街の変わり様です。

 この街のゴルフ場でまだ40代半ばだった私は、グリーンのど真ん中で泣き始めました。その私を20代そこそこの若いキャディさんが黙って抱きしめてくれました。名前も顔ももう忘れています。覚えているのは、彼女の首筋の日なたの匂いと心のざわつきが鎮まった安堵感です。

 昨日は小さな会食でした。集まった方はお顔とお名前だけはもう10年以上も知った方です。ひと回り程下のTさんは上の息子さんは、中国空軍の飛行パイロットつまり超エリート、下の息子さんは医師になられたばかりです。昔変わらぬ丸顔のTさんはまじめでコツコツ働いて息子さん達を育てました。そのTさんよりまだお若いYさんは、結婚する前から知っています。昨日は息子さんの2歳の誕生日でした。

 深圳は、ボーダーをひとまたぎしただけですが、言葉は広東語ではなく北京語です。このYさんの日本語達者が唯一の会話の助けです。私、挨拶しか北京語が出来ません。それでも旧知の仲ですので、話には事欠きません。食事ももう終わりという頃、Tさんが当面していることで急に涙を流しました。大袈裟な涙ではありません。その時まで堪えに堪えた涙です。隣の席にいた私は彼女の細かく震えている肩を抱きました。

 お若いYさんも同じような現状に今直面しています。おふたりの胸の内は、お会いする前から察していました。感極まったTさんに続いてYさんも静かに涙を流します。何もしてあげれない私です。別れ際には今一度、Tさん、Yさんをしっかり抱き私も涙しました。言葉なんて不要です。

 街に立ちました。周りはリッツカルートン、フォーシーズンも立ち並ぶ深圳の中心部です。高い夜空を見上げ、彼女達のこれからを案じますが、不思議に私の中には温かいものが流れています。女同士っていいなあと。

コメント (2)
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