蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

無念の旅 郡上八幡 ③

2009-10-28 | 
岐阜城は、金華山ロープウエイを上り、さらに、足で登って行く。
参加者にはご年配の方もおられ、進むスピードの違いから、2グループに分かれた。
私は、はぐれてはいけない、と、あまり熱心には城内の展示物や景色等に見惚れず、
あっさりチェック、さささと、付いて行った。
急こう配で足場も悪い山道、参加者のお一人は、ハイヒール・パンプスにストッキング、
もうお一人は、ハイヒールの細身ロングブーツ。
お二人とも、奥行きの狭い、急な階段状の石段を、器用にカニ歩きをされていた。
私は、クッションのいいスニーカーで、スイスイ。
その時ばかりは、この靴にして、ヨカッタと大満足だったのだが・・・。

 

朝の出発時の失敗があったものだから、もう、2度と再び迷惑をかけてはいけないと
決死の覚悟で、郡上八幡の旧街散策あとの集合に、足を早めた。
ところが、パーキングには待機しているはずのバスがない。
あれれ?あれ?あれ? どこ?どこ?どこ?
ぐるぐるぐる・・・パーキングの周りを右回り、左回り、右往左往。
さっき、同行のTさんをちらりと見かけたはずなのに、どこにも姿がない。
ぐるぐるぐる・・・何度も回っても同じ。
もう集合時間までに2分ほどしかない・・・!! うそぉ・・そんな・・・

必死で探していたら、突然、足元がぐにゃっとした。
そこに負荷がかかり、すごく嫌な感触が伝わる。
同時に足首が意に反して予期しない方向に曲り、体がガクっと傾いた。
トートバッグが、肩からずり落ち、体ごと地面によろりと崩れ落ちた。
次の瞬間、左足に激痛が走る。
いったい、何が起こったの???
この感覚・・・2年前にもこんなことがあったけれど、
ま、さ、か、・・・まさか、また同じことじゃないよね??
デジャブ?
蘇る体験が、脳裏をかすめた。

なにがどうなったか、わからないけれど、立ち上がり、
足下の歩道と車道の境目にある、斜めになった段差をちらと見た。
ひょっとして、これ?
悪い予感はとりあえず、しまっておいて、全力でバス集合場所に向かった。
バスは、もうひとつ向こうのバス・パーキングに停まっていた。
やれやれ・・・よかった・・・
その時は、安堵と喜びで、足のことは、吹っ飛んでいた。

が、帰路、サービスエリアに降りて歩いたら、痛くて、ひょこんひょこんと、片足重心歩行に。
痛い方の足をアンバランスに引きずる歩き方になった。
時間が経つにつれ、足の症状を冷静に見るにつけ、それに伴って徐々に頭が反応してきた。
悪いのは、中途半端な段差? それとも靴?(あの山道悪路も持ちこたえたのに)
あるいは、私の足? 焦るあまりの不注意?
追い込まれると、機能停止、危機管理能力ゼロの弱さが露呈された。
理由はともかく、現実問題として、
左足小指が、ちょっとでも動かしたり触れたりすると、尋常ではない激痛に襲われる。
どうやら骨折したようだ。

即、頭をよぎったのは、ダンス。
この足が治るまで、ダンスはできないということ。
フィットネスやスイミングもできないけれど、それは、まあ、いいとしよう。
ダンスTeacherアポロンにさっそく、個人レッスン、キャンセルの電話を入れる。

「怪我は長引きますから、十分、療養してください。
  僕のことはいいですから。」
その声を虚しい気持ちで聞いた。
不可抗力などと言い訳はしたくない。
大好きなダンスを続けたいなら、自己管理を、自己責任で行うべきだ。

それもさることながら、立て続き、国内外旅行が1週間後に控えている。
こんな足で、大丈夫なのか???
この旅行、最初の滑り出しから悪い予兆があり、暗雲が立ち込めていたようだが、
今、私は、こころの中は、まっ黒な闇になっている。