蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

遠くの想い、近くの現実

2010-10-06 | 

昨夜は、息子の部屋で就寝した。

息子は、高校卒業以来、別の場所に住んでいる。
「家を出て行った」と書きたいところだが、彼は、出た当初は、独立して生計を立てていたわけでもないので
取りあえずは、親元からは通学できないため、住まいを移し、一人住まいをすることになった。

あれからもう随分、時が経った。


今年の夏、猛暑のため、私は、就寝時は、あっちこっちの部屋に、猛暑難民となって転々とした。
夫の冷房依存症との折り合いがつかないため、夫婦別室を余儀なくされた。

今は空き部屋になっている、上娘の部屋や、息子の部屋、和室など、選択場所はいろいろあった。
猛暑がやっと終わり、寝室に戻ったのだが、寝室のベッドが柔らかすぎてか、どうか知らないが、
私は、腰痛になった。

息子の部屋は天井が高く、設計段階では洋室だったのだが、
「畳がいい」という息子の意見を取り入れて、和洋折衷にした。
畳の上に布団を敷くと、ちょうどよい硬さになる。
で、昨夜は息子の部屋で寝たというわけだ。


夢を見た。
幼い頃の息子。
今の面影はまるでない、涙が出そうになるぐらい、かわいかった頃。
にこにこと、ご機嫌のいい、あどけない顔を見せてくれる。
そう入力しただけで、その頃の顔を思い出し、実際に涙がぽろぽろ。
母親というものは、本当に、馬鹿な生き物だ。

夢の中では
その頃から少し経った、小学校3~4年ぐらいの息子が、別のシーンで、姿を見せた。
別の家庭で育ててもらっている、お世話になっている、そんな設定になっていた。
夫が再婚して、新しい母親と・・・という流れではないようだった。
大勢の人の中に息子は、いた。
短期留学とか、そういった類のものだろうか・・・?

この時の息子は、私に気付いているか、気付かないのか、わからないが
全く私の方を見てくれない。
横顔だけだった。
ちらと顔を見せただけで、あとは覚えていない。


子供を亡くした親の気持ち、哀しみは、想像できないほど深いものだろう。
現在、ちゃんと生きていて、別に喧嘩もしないし、不和も事件も、なんの問題もなく、
先週の法事にも、参加してくれた息子。
そんな息子でも、私は、これだけ、わけのわからない涙が出て、胸が締め付けられるのだから。


そう言いつつ、いざ本当に息子が、我が家に(用事で)帰ってくるとなると、
空っぽに近い冷蔵庫を前に、晩御飯の用意のことを考えて、気が重くなったりする、サボリの現実派、母親の私。
母親というものは、どこかいつも現実が紛れ込んで、夢にばかり慕っていられない。
ご飯の用意!! 
地球が回転する限り、時計が回る限り、家庭で、必ず訪れる必要不可欠なもの。
好むと好まざるにかかわらず、母親の、そういう現実感覚が、かえってバランスが取れて、いいのかも知れないが。


昔の記憶。昔の笑顔。
母親の手を離れて飛び立った、自立した息子。
それが一番の親孝行なのだが。

遠くに想うもの・・・
胸にあふれる想い。


朝、目覚めると
重い腰、痛い腰は、少しは楽になっていた。



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