『アゲイン 28年目の甲子園』
監督:大森寿美男
出演:中井貴一,波瑠,和久井映見,菜々緒,柳葉敏郎,門脇麦,太賀,
工藤阿須加,西岡徳馬,木村仁,安田顕,堀内敬子他
来年度に繰越不可分の有休消化モードに入っています。
そんなわけで、フリーパスポートの有効期限が切れる日に有休を取りました。
TOHOシネマズ西宮にて2本観ることに。その1本目。
好きな作家を問われたら、まず思い浮かぶのが重松清。
好きなスポーツを聞かれたら、何が何でも野球。
だから、ずいぶん前から本作の公開を楽しみにしていました。
映画の企画と小説の連載が同時進行だったそうです。
元高校球児の坂町晴彦(中井貴一)は、新聞社の総務部に勤務する46歳。
多忙を極めた記者時代に妻子に見限られて離婚、今は一人暮らしの身。
母校である川越学院は高校野球の強豪校だが、
ちょうど坂町がキャプテンを務めていた28年前、
地方大会決勝を前にして部員の不祥事が発覚、辞退を余儀なくされた過去がある。
ある日、妻の再婚相手(安田顕)が連絡を寄越す。
離婚当時はまだ幼かった一人娘の沙奈美(門脇麦)も今は大学生。
最近、沙奈美は男子大学生の部屋に入り浸っているらしく、
坂町に様子を見に行ってほしいという話だった。
そんなことを言われてもと再婚相手に憤りを感じる半面、
どうしてよいかわからぬ自分にも腹立たしさを感じる坂町。
とぼとぼと家に帰ると、見知らぬ若い女性が立っている。
彼女は戸沢美枝(波瑠)と名乗り、坂町のチームメイトだった松川典夫(太賀)の娘だという。
“マスターズ甲子園”の事務局でボランティアスタッフを務めているらしい。
今さら甲子園出場の話などしたくない坂町は彼女を追い返そうとするが、
松川が去年の震災で亡くなったこと、
遺品の中からチームメイト全員に宛てた年賀状が出てきたことを聞かされる。
坂町は当時のエースだった高橋直之(柳葉敏郎)に連絡、
高橋は美枝に会ってはくれたものの、美枝の言葉に怒り出し……。
原作は今月に入ってから読みました。
細かな台詞や情景等、原作と映画は「ぴったしパンツ」と言っていいぐらい完璧に同じです。
かなりクサイところもあるのですが、これを中井貴一と柳葉敏郎がやると、
嘘っぽくても本当っぽくなるのが凄い。はい、もちろん泣きました。
男たちには自分の過去と向き合えない事情があり、それを打破するきっかけが要る。
そのきっかけがまた別のことのきっかけにもなる。
「負け犬というのは、負けた人のことを言うのではない。
負けたことから逃げている人のことを言う」。
自分が娘に言い聞かせた言葉だということを忘れて、いつしか負け犬になっていた父親。
あらゆるシーンがじわじわ効いてきます。
泣かされる場面は数知れずですが、いちばんグッと来たのは、
門脇麦ちゃん演じる沙奈美がグローブを顔の前辺りに持ち上げてうなずくところ。
彼女はいい女優さんになりそうです。って、もうなってるか。
ちゃんと負けてから次へ進め。
胸にとどめておきたい言葉です。
監督:大森寿美男
出演:中井貴一,波瑠,和久井映見,菜々緒,柳葉敏郎,門脇麦,太賀,
工藤阿須加,西岡徳馬,木村仁,安田顕,堀内敬子他
来年度に繰越不可分の有休消化モードに入っています。
そんなわけで、フリーパスポートの有効期限が切れる日に有休を取りました。
TOHOシネマズ西宮にて2本観ることに。その1本目。
好きな作家を問われたら、まず思い浮かぶのが重松清。
好きなスポーツを聞かれたら、何が何でも野球。
だから、ずいぶん前から本作の公開を楽しみにしていました。
映画の企画と小説の連載が同時進行だったそうです。
元高校球児の坂町晴彦(中井貴一)は、新聞社の総務部に勤務する46歳。
多忙を極めた記者時代に妻子に見限られて離婚、今は一人暮らしの身。
母校である川越学院は高校野球の強豪校だが、
ちょうど坂町がキャプテンを務めていた28年前、
地方大会決勝を前にして部員の不祥事が発覚、辞退を余儀なくされた過去がある。
ある日、妻の再婚相手(安田顕)が連絡を寄越す。
離婚当時はまだ幼かった一人娘の沙奈美(門脇麦)も今は大学生。
最近、沙奈美は男子大学生の部屋に入り浸っているらしく、
坂町に様子を見に行ってほしいという話だった。
そんなことを言われてもと再婚相手に憤りを感じる半面、
どうしてよいかわからぬ自分にも腹立たしさを感じる坂町。
とぼとぼと家に帰ると、見知らぬ若い女性が立っている。
彼女は戸沢美枝(波瑠)と名乗り、坂町のチームメイトだった松川典夫(太賀)の娘だという。
“マスターズ甲子園”の事務局でボランティアスタッフを務めているらしい。
今さら甲子園出場の話などしたくない坂町は彼女を追い返そうとするが、
松川が去年の震災で亡くなったこと、
遺品の中からチームメイト全員に宛てた年賀状が出てきたことを聞かされる。
坂町は当時のエースだった高橋直之(柳葉敏郎)に連絡、
高橋は美枝に会ってはくれたものの、美枝の言葉に怒り出し……。
原作は今月に入ってから読みました。
細かな台詞や情景等、原作と映画は「ぴったしパンツ」と言っていいぐらい完璧に同じです。
かなりクサイところもあるのですが、これを中井貴一と柳葉敏郎がやると、
嘘っぽくても本当っぽくなるのが凄い。はい、もちろん泣きました。
男たちには自分の過去と向き合えない事情があり、それを打破するきっかけが要る。
そのきっかけがまた別のことのきっかけにもなる。
「負け犬というのは、負けた人のことを言うのではない。
負けたことから逃げている人のことを言う」。
自分が娘に言い聞かせた言葉だということを忘れて、いつしか負け犬になっていた父親。
あらゆるシーンがじわじわ効いてきます。
泣かされる場面は数知れずですが、いちばんグッと来たのは、
門脇麦ちゃん演じる沙奈美がグローブを顔の前辺りに持ち上げてうなずくところ。
彼女はいい女優さんになりそうです。って、もうなってるか。
ちゃんと負けてから次へ進め。
胸にとどめておきたい言葉です。