夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『滝を見にいく』

2015年01月29日 | 映画(た行)
『滝を見にいく』
監督:沖田修一
出演:根岸遙子,安澤千草,荻野百合子,桐原三枝,川田久美子,徳納敬子,渡辺道子,黒田大輔他

シネマート心斎橋で3本ハシゴの3本目。

『南極料理人』(2009)、『キツツキと雨』(2011)、『横道世之介』(2012)と、
いずれも私はハマった沖田修一監督。
出町ふたばの名代豆餅好きとしては、同監督の『豆大福ものがたり』(2013)も気になりますが、
TSUTAYA DISCASでは取扱いなく、買うのは躊躇われ。
どなたかご覧になった方、いらっしゃいませんか。

本作はオーディションで選ばれた演技経験のない7人のおばちゃんが主演。
面白すぎる設定に興味を惹かれて観にいきました。

紅葉の季節、滝を見にいくツアーに参加したおばちゃん7名。
ツアーの旗を掲げるガイドの菅(黒田大輔)を先頭に、バスを下車して山道へ。

ところが途中、菅が行ったり来たりして焦りはじめる。
どうやら道に迷った模様、地図を見て悩む菅。
菅は「ここで待っていてください」と言い残してどこかへ。
しかし、何十分待っても菅は戻ってこない。

おばちゃんたちはしばし考えた末、菅を探しにいくことに。
なんとかなるだろうと思っていたのに、菅は見つからない。
どんどん時間が経ち、日暮れも近づいてきて……。

おばちゃん7名はいくぶん大げさとはいえ、どこにもいそうな人ばかり。
一人で参加した人もいれば、二人連れで参加した人も。
二人連れはバスの中でも食べては喋り、しかも話題は誰某が病気になったという話ばかり。
ガイドの話なんてまったく聞いちゃいません。
物静かなおばちゃんもいれば、愛煙家のケバめのおばちゃん、カメラが趣味のおばちゃんも。
サバイバル状態に陥ってイライラしはじめると、そら物凄いことになります。(^O^)

いちばん笑ったのは、「あんた、年下でしょ。何よ、その物の言い方」に対して、
「四十超えたら女はみんな同い年じゃ、ボケ!」。
そう言った本人が、「道に迷って、周りはおばちゃんばかり」とぼやく矛盾に、
「四十超えたらみんな同い年って言うたんアンタやん」と突っ込まれ。

各人が持っている食糧を出してみるとき、「ルマンドだったらあるけど」とか
(ホワリトロリータはないんかい!と心の中でツッコミ)、
寝転んでみんなが歌いだすのが『恋の奴隷』だったりとか、
アラフィフ以上のおばちゃんなら(おっちゃんも)クスッと笑ってしまうこと必至です。

上手く行くはずもなさそうだった7人がまとまりを見せはじめるとき。
超ポジティブなおばちゃんたちが腹をくくる姿に、
「女は生理があがると最強」と女子会でお姉様方が話していたのを思い出します。

最強だけど、いくつになっても女の子。
おばちゃんやのに「女子会」と言うのを許してや~。

おばちゃんの、根拠のない「大丈夫。」に救われる。

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