夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『劇場版 弱虫ペダル』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の9本目@梅田)

2015年10月05日 | 映画(や行)
『劇場版 弱虫ペダル』
総監督:鍋島修
監督:長沼範裕
声の出演:山下大輝,鳥海浩輔,福島潤,安元洋貴,森久保祥太郎,
     伊藤健太郎,代永翼,前野智昭,吉野裕行,柿原徹也他

フリーパスを作ったのはいいけれど、
上映中の作品にはフリーパス作成以前にお金を払って鑑賞済みのものが多く、
しばらくは「フリーパスがなければスルーしていたはず」の作品が主。
本作もそうです。

原作は渡辺航のコミックで、現在も『週刊少年チャンピオン』に連載中。
舞台化、TVアニメ化、そして今回の劇場版映画化と大人気の模様。
もちろん私は原作未読、TV版も一度も観たことがありません。
わかっていたのは自転車競技が題材だということのみ。
しかし、気弱そうな少年が人気アニメのDVDを買いに行くシーンからのスタートに、
えっ、これってチャリの話じゃなくてオタクの話なのかと面食らいました。
オタクなチャリ乗り少年だったのですね。(^^;

アニメ好きのオタク・小野田坂道は、総北高校の自転車競技部に入部。
1年生ながらインターハイのメンバーに抜擢され、大活躍。
チームの総合優勝に大きく貢献する。と、ここまでが周知の話のようです。

一躍有名人になった坂道だが、本人にはそんな意識がまるでない。
大好きなアニメ『ラブ☆ヒメ』のDVD発売初日、
無事にブツを手にすることができてウキウキわくわく。

幸せな気持ちのまま登校すると、インターハイでの坂道の活躍を称える幕に愕然。
照れくさくて大慌ての坂道を、生徒らは不思議がったり面白がったり。
そんな坂道に同学年のチームメイト・今泉俊輔と鳴子章吉が声をかける。

部室に行ってみれば、あと半年余りで卒業してゆく主将・金城真護から重大発表が。
熊本でおこなわれる“やまなみレース”に参加することにしたと言う。
また、例年このレースへの参加を見合わせていた強豪校・箱根学園も、
総北が参加すると聞いて参戦を決める。

インターハイのメンバーと同じ、総力を挙げての参加に皆の志気が高まるなか、
坂道が慕う3年生・巻島裕介の様子がおかしい。
鈍感な坂道はまったく気づいていないが、巻島は9月から海外留学の予定。
そのため、インターハイに参加することを断念し、すでに退部届を提出していた。
巻島がいなくても闘うしかない。金城らはそう心に誓うのだが……。

さまざまなTVドラマの劇場版同様、これが初見なので人物像も人間関係もわからず。
だけど、いいなぁと思ったのは、腹黒い奴がいないということ。
チームメイトも他校のライバルたちも、本当にいい奴ばかり。
憎まれ口は叩いても、スポーツマンシップとはこうあってほしいと願うとおり、
誰もがフェアに闘い、負けたときにも相手への祝福を惜しみません。
健闘を称え合う姿を見るのはいいものです。

自転車の話で思い出す本は近藤史恵の『サクリファイス』。
これはドロドロもある面白いサスペンスでしたけれど、
本作のように綺麗な心の映画を見せられたら、自転車競技自体への興味が湧きます。
超お気に入りの『ベルヴィル・ランデブー』(2002)も自転車の話。
好きすぎて、それを観たときの気持ちには到底およびませんが、
人気漫画の世界を観る機会が持てたのはとてもよかったです。

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