夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』

2015年10月07日 | 映画(さ行)
『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』(原題:Two Raging Grannies)
監督:ホーヴァルド・ブスネス

NHK BS1で2014年に放送された、ノルウェー出身監督による
『はつらつおばあちゃんが行く!孫たちにより良き世界を』を劇場公開。
TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポート保有期間中ではありますが、
たまにはそれ以外の劇場で映画を。テアトル梅田にて。

シアトルに暮らすシャーリー・モリソン、92歳。
その親友のヒンダ・キプニス、86歳。

シャーリーは、8歳の可愛い孫娘と新聞を読んでいる途中、
孫娘の質問に答えられない言葉や事象があることに気づきます。
不況って何? 経済成長って何?

ヒンダに会って質問をぶつけるも、ヒンダだってわからない。
どうしても知りたくなり、Googleで検索。
孫娘にはYouTubeを教えてもらい、ケネディの演説を拝聴。
シャーリーはワシントン大学へ電話をかけると、経済学の授業の聴講を希望します。

車椅子でつるんでやってきたおばあちゃんふたりに、
教授は「何の授業かわかってそこにいるのか」とあきらかにバカにした表情。
授業の途中、シャーリーが挙手するも教授は無視。
しつこく質問しようとすると、質疑応答の時間は設けない、
黙っていられないなら出て行けと教授がおっしゃる。

追い出されたふたりは、やっぱりあきらめきれず、
多くの学者や金融関係者に「経済成長って必要なの?」と問い続けます。

アメリカが現在の生活を維持するだけで、地球が4個か5個必要。
かつ、発展途上国はこぞって生活レベルを上げようとするのですから、
地球が何個あっても足りないでしょう。
途上国は成長しようとするのが当然だとしても、
そうでない国に経済成長は必要なのでしょうか。

「ウォール街を出禁になった2人」とのタイトルに、
株や投資で儲けるために勉強を始めたおばあちゃんたちのことかと思いきや、
彼女たちは儲け話になんてまったく興味がありません。
ただ純粋に、経済成長について知りたがっているのです。

笑われても疎まれてもめげないふたりが頼もしい。
手術のために入院したヒンダと会えない間、
家族に囲まれて穏やかに過ごしているはずのシャーリーが見せる寂しげな顔が印象的。
退院したヒンダと出かけるシャーリーは俄然元気になっていました。

心にも成長を。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする