『パリ3区の遺産相続人』(原題:My Old Lady)
監督:イスラエル・ホロヴィッツ
出演:ケヴィン・クライン,クリスティン・スコット・トーマス,マギー・スミス,
ステファーヌ・フレス,ドミニク・ピノン,ノエミ・ルボフスキー他
従姉が染織品を出品している工芸展が神戸三宮のさんちかホールで開催中(昨日まで)。
土曜日の朝イチでそれを観に行き、晩は大阪で食事の予定。
その間を映画鑑賞で埋めるべく、各映画館の上映時間を調べました。
いちばん観たいと思っていたのは本作で、梅田と神戸の両リーブルで上映中。
次に観たいと思っていた動物もの(犬と象)2本は梅田のみで上映中。
ならば三宮で工芸展を観てからすぐに大阪へ戻ることにしようと、
シネ・リーブル梅田のオンライン座席予約を試みたら、なんと休止中。
同系列のテアトル梅田やシネ・リーブル神戸はちゃんと稼働しているのに、ガクッ。
携帯を所持していない私は、外出先でオンライン予約することができません。
予約せずに大阪へ舞い戻ってきて満席だったりしたら目も当てられん。
仕方がないのでシネ・リーブル神戸で鑑賞可能な本作のみ予約。
あとは神戸のどこぞの劇場へ行くよう、予定をあらためました。
シネ・リーブル神戸に行くのはいつぶりかなと思ったら、このとき以来のほぼ3年ぶり。
今から25年以上前、当時40過ぎだったケヴィン・クラインが
16歳下のフィービー・ケイツと結婚したときは、オヤジめ~と思いましたが、
円満な家庭をずっと維持している様子。
68歳の今もどこか青年の風情を残し、コミカルな演技も相変わらず上手い。
ニューヨーク在住のマティアスのもとに、疎遠だった父親の訃報が届く。
父親の遺言により、マティアスはパリの高級アパルトマンを相続。
借金まみれの人生とおさらばできると、意気揚々パリへ乗り込む。
ところが、そのアパルトマンには老婦人マティルドが居住中。
彼女とマティアスの父親の間には、“ヴィアジェ”という契約が結ばれており、
マティルドは死ぬまでアパルトマンに住みつづけることができるのだ。
しかも、マティアスが彼女に毎月2,400ユーロ支払わなければならないと言う。
借金とおさらばどころか、相続したアパルトマンはババアと負債付き。
いったい自分はどれだけ父親から嫌われていたのだと唖然。
金も住み処もないマティアスに、マティルドは一室貸してもいいと申し出る。
他には選択肢なく、マティルドの厚意を受けることに。
しかし、同居するマティルドの娘クロエは、マティアスに敵愾心あらわ。
マティルドが亡くなりさえすれば、アパルトマンは俺のもの、
90歳を過ぎている彼女の先はそう長くないだろうとマティアスは考えるが、
マティルドは健康そのもので……。
フランス独特の不動産売買契約“ヴィアジェ”、知りませんでした。
これは売り主込みでアパルトマンを買うというシステム。
ヴィアジェとして売りに出されている家はもっぱら格安。
格安で所有者になれる代わりに、買い主は売り主に毎月一定額を支払わなければなりません。
そして、買い主が住めるようになるのは売り主の死後。
売り主が亡くなれば、毎月の一定額支払いもそこでストップ。
つまり、売り主が契約後早く亡くなれば超お得。
だけど、稀に買い主が売り主より早く亡くなってしまうこともあるわけです。
マティアスの場合がそれで、買い主だった父親が、
売り主のマティルドより早く亡くなってしまったために、こんな事態に。
単にこれだけの話ではありません。徐々にあきらかになる人間模様。
ただのろくでなしだと思われていたマティアスの心の深い闇。
闇を持つのはクロエも同じで、幼少時代に負った傷を何十年も抱え、
他人には気づかれぬように生きてきたさまが痛々しい。
両者役のケヴィン・クラインとクリスティン・スコット・トーマス、○。
マティルド役のマギー・スミスが素晴らしいのは言わずもがな。
それぞれの傷が少しずつ癒やされてゆくのが観ている者に伝わってきます。
ジャン=ピエール・ジュネ監督作品のドミニク・ピノンが不動産屋役で出演。
普通の役なのに、いつ顔の七変化があるかと期待してしまいました(笑)。
派手さはないけれど、ストーリーをゆっくり楽しめる良作です。
堂々のミニシアター系なのに、109シネマズ大阪エキスポシティでも上映中。
シネ・リーブル神戸では8割方客席が埋まっていた本作、
エキスポシティへ行けばもしかすると“おひとりさま”かも!?
監督:イスラエル・ホロヴィッツ
出演:ケヴィン・クライン,クリスティン・スコット・トーマス,マギー・スミス,
ステファーヌ・フレス,ドミニク・ピノン,ノエミ・ルボフスキー他
従姉が染織品を出品している工芸展が神戸三宮のさんちかホールで開催中(昨日まで)。
土曜日の朝イチでそれを観に行き、晩は大阪で食事の予定。
その間を映画鑑賞で埋めるべく、各映画館の上映時間を調べました。
いちばん観たいと思っていたのは本作で、梅田と神戸の両リーブルで上映中。
次に観たいと思っていた動物もの(犬と象)2本は梅田のみで上映中。
ならば三宮で工芸展を観てからすぐに大阪へ戻ることにしようと、
シネ・リーブル梅田のオンライン座席予約を試みたら、なんと休止中。
同系列のテアトル梅田やシネ・リーブル神戸はちゃんと稼働しているのに、ガクッ。
携帯を所持していない私は、外出先でオンライン予約することができません。
予約せずに大阪へ舞い戻ってきて満席だったりしたら目も当てられん。
仕方がないのでシネ・リーブル神戸で鑑賞可能な本作のみ予約。
あとは神戸のどこぞの劇場へ行くよう、予定をあらためました。
シネ・リーブル神戸に行くのはいつぶりかなと思ったら、このとき以来のほぼ3年ぶり。
今から25年以上前、当時40過ぎだったケヴィン・クラインが
16歳下のフィービー・ケイツと結婚したときは、オヤジめ~と思いましたが、
円満な家庭をずっと維持している様子。
68歳の今もどこか青年の風情を残し、コミカルな演技も相変わらず上手い。
ニューヨーク在住のマティアスのもとに、疎遠だった父親の訃報が届く。
父親の遺言により、マティアスはパリの高級アパルトマンを相続。
借金まみれの人生とおさらばできると、意気揚々パリへ乗り込む。
ところが、そのアパルトマンには老婦人マティルドが居住中。
彼女とマティアスの父親の間には、“ヴィアジェ”という契約が結ばれており、
マティルドは死ぬまでアパルトマンに住みつづけることができるのだ。
しかも、マティアスが彼女に毎月2,400ユーロ支払わなければならないと言う。
借金とおさらばどころか、相続したアパルトマンはババアと負債付き。
いったい自分はどれだけ父親から嫌われていたのだと唖然。
金も住み処もないマティアスに、マティルドは一室貸してもいいと申し出る。
他には選択肢なく、マティルドの厚意を受けることに。
しかし、同居するマティルドの娘クロエは、マティアスに敵愾心あらわ。
マティルドが亡くなりさえすれば、アパルトマンは俺のもの、
90歳を過ぎている彼女の先はそう長くないだろうとマティアスは考えるが、
マティルドは健康そのもので……。
フランス独特の不動産売買契約“ヴィアジェ”、知りませんでした。
これは売り主込みでアパルトマンを買うというシステム。
ヴィアジェとして売りに出されている家はもっぱら格安。
格安で所有者になれる代わりに、買い主は売り主に毎月一定額を支払わなければなりません。
そして、買い主が住めるようになるのは売り主の死後。
売り主が亡くなれば、毎月の一定額支払いもそこでストップ。
つまり、売り主が契約後早く亡くなれば超お得。
だけど、稀に買い主が売り主より早く亡くなってしまうこともあるわけです。
マティアスの場合がそれで、買い主だった父親が、
売り主のマティルドより早く亡くなってしまったために、こんな事態に。
単にこれだけの話ではありません。徐々にあきらかになる人間模様。
ただのろくでなしだと思われていたマティアスの心の深い闇。
闇を持つのはクロエも同じで、幼少時代に負った傷を何十年も抱え、
他人には気づかれぬように生きてきたさまが痛々しい。
両者役のケヴィン・クラインとクリスティン・スコット・トーマス、○。
マティルド役のマギー・スミスが素晴らしいのは言わずもがな。
それぞれの傷が少しずつ癒やされてゆくのが観ている者に伝わってきます。
ジャン=ピエール・ジュネ監督作品のドミニク・ピノンが不動産屋役で出演。
普通の役なのに、いつ顔の七変化があるかと期待してしまいました(笑)。
派手さはないけれど、ストーリーをゆっくり楽しめる良作です。
堂々のミニシアター系なのに、109シネマズ大阪エキスポシティでも上映中。
シネ・リーブル神戸では8割方客席が埋まっていた本作、
エキスポシティへ行けばもしかすると“おひとりさま”かも!?