夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

2020年7月に読んだ本まとめ

2020年08月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2020年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3446ページ
ナイス数:896ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚 (祥伝社文庫)
掴みはイマイチ。だって、その界隈に暮らす関西人は「~やさかい」という関西弁は使わないから。しかし第2話以降はとてもいい感じ。宝塚音楽学校に入りたい娘だったりその家族だったり、関西人ではない人が多く登場するから、第1話で抱いたような関西弁への違和感がなく、話に没入できる。「ちょっぴり焦り気味の重松清」みたいにも思いましたが(笑)、それもまた良し。各話の登場人物が絡み合っていて、入学からスターになるまでを見守っている気持ちになれます。一度は観てほしい宝塚。世界の盗塁王・福本豊氏もいまやすっかりヅカファンです。
読了日:07月01日 著者:宮津大蔵
https://bookmeter.com/books/15551908

■怨毒草紙 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)
何よりも楽しみにしているシリーズなのですけれど、刊行を待つ間に期待値が上がりすぎてしまいました。地面から首だけ出して生きたまま鋸でギコギコされる描写があまりに恐ろしくて苦笑い。その割には前作までと比べると凄絶さ控えめなクライマックス。個人的には物足りない。でも、これほど真剣な生臭坊主をもしかすると初めて見た気がしますし、やはりいろいろと面白い。「ほぼほぼ」という言葉がどうにも苦手な私は、「繰り返すほど本気度が下がるというもの」という和尚の言葉にも大きくうなずきました。血みどろ絵の展覧会は絶対当たるっしょ。
読了日:07月04日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/15946280

■ある女の証明 (幻冬舎文庫)
どうしてこんな女を住まわせるんだろうと思うけれど、騙されているのかもしれないと承知のうえで、明かりの灯った部屋を見て泣きそうになったという男の気持ちを考える。幸せかどうかは他人が決めることじゃないもんなぁって。各章の冒頭に三面記事が掲載されています。その記事の当該者や関係者の視点で語られる章仕立て。数年を遡りつつ最終章まで進んだとき、貴和子は本当はどんな女だったのだろうと、やるせない気持ちに。類い希なる母性の持ち主だったのかもしれない。今もぼんやりと貴和子のことを考えています。このドロドロ感はクセになる。
読了日:07月06日 著者:まさき としか
https://bookmeter.com/books/13149951

■種のキモチ (幻冬舎文庫)
中高生に大人気の作家がこんなん書いてもいいのでしょうか(笑)。女性の胸に花が咲く『シャニダールの花』という映画がありました。そのグロい版を見せられている感じ。気持ち悪さとしては、科学者が人間と植物を融合させる実験をおこなう『悪魔の植物人間』のほうが近い。相変わらず山田さんの文章は平易。難しい言葉が一切なく、行間に込められた思いなんかも感じないままズンズン進む。これをロマンチックホラーというんかいな、キモっと思いながら、薄いおかげで即読了。決して好きとはいえないけれど、これで読了が1冊増えたんだからいいや。
読了日:07月09日 著者:山田 悠介
https://bookmeter.com/books/15590116

■ストロベリーライフ (毎日文庫 お 1-1)
農業にまるで興味のなかった人が農業する話だよねぇ。そう思いながら読み始めました。その予想と寸分違わず。主人公の元の勤務先が広告代理店だから、大好きな“ユニバーサル広告社”シリーズと重なることを期待したけれど、そんなことはなく。苺は好きでも、苺の作り方いろいろ説明されたところでなかなか興味は持てません。でも私にはこの人の擬態語がツボだ。主人公の幼い息子の行動を表す擬態語に思わず笑う。なんだかんだで読まされて、じわっと笑わされ心打たれ、気がつけばすんなり読了していた全430頁。人が何かに没頭する姿ってええな。
読了日:07月14日 著者:荻原 浩
https://bookmeter.com/books/14499605

■ヒートアップ (幻冬舎文庫)
映画版がアンマリで避け続けていたデビュー作をようやく手に取ったものの、乗れずに一旦止め、先にこれを。当たり前かもしれんけど、最近の作品のほうがずいぶんこなれていませんか。って、どんだけ上から目線やねん、私。失礼。囮捜査でシャブを打とうとも決してヤク中にはならない特異体質のマトリ七尾とヤクザ山崎との掛け合いがコミカル。最後は壮絶すぎて、月村了衛の『槐』を思い出しました。凄絶であっても、死にはしないと安心している部分があります。で、そのとおり、安心。今回も見事に騙されました。あ、そう。女だったのね。(^O^;
読了日:07月17日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/8201800

■君が夏を走らせる (新潮文庫)
瀬尾まいこというよりは坂木司を読んでいるような気分でした。今まで似ていると思ったことはなかったけれど、道理でどちらも好きなわけです。不良ぶった高校生が主人公でこのタイトル。想像されるのは青春もの。しかしベビーシッターのバイトに明け暮れる物語だとは想像できず。彼が預かるのは1歳10カ月の女児。丸1カ月、日中ずっと男子高校生に預けるのは、実際には無しだと思います。違和感を抱きつつも嫌な気分にならないのは、やはりこの著者だからなのでしょう。ちょっとしかないけど、走るシーンが爽快。ぶんぶー、口癖になりそう(笑)。
読了日:07月21日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/15995627

■凶犬の眼 (角川文庫)
刑事もヤクザも登場人物多すぎ(笑)。どこの組のもんやら思い出すのが大変で。だけど話がとっ散らかることはないから、置いてけぼりにされずに没頭できます。必ず『孤狼の血』を読んでからどうぞ。田舎の駐在所へ左遷された日岡。事件など起こるはずもないのどかな村で、日岡の目の前に現れる指名手配中の極道。ヤクザに肩入れするわけじゃないですが、こうも賢くて器がでかくて仁義を通すさまを見せつけられると、今の政治家よりよほど信頼できそうだと思ってしまう。これを女性作家が書いているなんて、凄すぎる。手酌が似合う女にはならんとこ。
読了日:07月24日 著者:柚月裕子
https://bookmeter.com/books/15389895

■骨を弔う (小学館文庫)
学校から盗み出した骨格標本を山中に埋めた子どもたち。もしかしてあれは本物の骨だったのではと当時を振り返る。早々、話中に著者の名前が出てきてシラける。人気作家という扱いを愛嬌とみなすべきなのでしょうが、どうにもそうは思えず。名前が出てくるたびにゲンナリしていたのですけれど。そうか、これはこの名前でなきゃ駄目だったのか。そもそもがこの名前を使って何か書こうという遊び心から始まったのかしら。しかしこういう芸風の作家ではないと思うから、やはり自身を人気作家として登場させるのはどうだか。読後感は○。幼なじみはいい。
読了日:07月28日 著者:宇佐美 まこと
https://bookmeter.com/books/15835061

■それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている (講談社文庫)
ダンナが化学調味料アレルギー、特に「調味料(アミノ酸等)」はNGゆえ、チェーン店で食べられるものはほぼありません。そんなだから、これらのチェーン店の中でわが家が利用しているのは、化調不使用を謳う松屋ぐらい。化調平気だった私も、毎日化調を使わずに生活していると、次第に受け付けなくなってきてしまうものです。とはいえ胸やけ胃もたれ確実のチェーン店に心が躍らないわけでもない。最も惹かれた天麩羅食べ放題のお店が今はもうないとは(泣)。蕎麦とビールで440円とか、メキシコ料理屋じゃないのにメヒコとか、なんか気になる。
読了日:07月30日 著者:村瀬 秀信
https://bookmeter.com/books/15957953

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